北海道の本気の厳寒対策に学ぶクルマの冬支度 寒さトラブルは都市部でも遭遇する?
ウインドウォッシャー液が凍って出ないことも
前出の北海道在住の方は、次に注意するのはウインドウォッシャー液と言います。冬は凍ってしまう恐れがあるため、こちらも気温と濃度には注意します。氷点下30度が見込まれる地域では、凍ってしまわないように液の濃度を調整します。こちらはウインドウォッシャー液の説明書きを参考にします。
そして、北海道では水に食器用洗剤を混ぜて、凍りにくくしたものを使うこともあるそうです。その効果で雪が窓に凍りつきにくくし、雪を拭うワイパーの負担軽減や視界の確保に役立つそうです。
なお、ウインドウォッシャー液が凍結すれば、タンクやポンプ、水の経路が凍結して破損の原因となります。また、ワイパーにも負担をかけてモーターの故障につながる恐れもあります。ウインドウォッシャー液の濃度には十分注意したいものです。
朝の寒い時間帯はエンジンがかかりにくくなる
厳寒期にエンジンがかからない原因はいくつかあります。セルモーターの回り方が弱いことでエンジンがかかりにくくなれば、バッテリーの性能低下です。
一般的に新品のバッテリーにおいて、外気温が0度で80%程度、マイナス20度の場合で50%程度の能力といわれており、寒いとバッテリーの性能は低下します。これは劣化というよりは、化学反応が弱まる影響です。
クルマのバッテリーのほとんどは鉛蓄電池で消耗品です。新品のバッテリーでも低温時には十分な性能を発揮できないのに、劣化が進めば冬にエンジンをかけることもままならないケースがあります。
低温でバッテリーが弱った場合の応急処置として、お湯でバッテリーを温めて化学反応を促進させるということが、昔は行なわれていました。しかし、バッテリーはそう簡単に温まりませんし、寒冷地ではお湯もすぐ水になり凍ってしまいます。何よりも電気系統を濡らすリスクも大きいですから、バッテリーが弱いと感じたら充電するか、交換も考えてください。
もし、エンジンがかからない場合は、JAFか自動車保険(任意保険)などに付帯しているロードサービスを呼ぶ、もしくはほかのクルマのバッテリーをつないで(ジャンピング)、対応するしかありません。
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北海道のように氷点下30度にならなくても、気温が低くなるだけでクルマにさまざまな影響があるのは、容易に想像できます。
たとえば関東以西の都市部に住んでいても、氷点下の気温になることは普通にあります。LLCは問題ないとしても、ウインドウォッシャー液の代わりに水を入れていたり、バッテリーが古かったりすると、トラブルにつながりかねません。
急に寒い朝がやってきてクルマのトラブルで慌てないように、冬タイヤやチェーンだけでなく、本格的な冬の訪れを前にクルマの整備をしておくことをおすすめします。
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