高速道路の走行車線によって道幅が違う!? 片側3車線の真ん中が広くなっている理由とは
では「やむを得ない場合」とは、いったいどういう状態なのでしょうか。NEXCO中日本にうかがってみました。
──車線が広くなるための「やむを得ない理由」とは何でしょうか。
3車線の高速道路の車線幅は3.5mが基本とされていますが、とくに交通量が多く大型車の混入率も高い場合などは、車線幅が同じであると左側(第1走行車線)と右側(追い越し車線)に比べて、中央(第2走行車線)は路肩や区画線もなく、両側をクルマに挟まれる場合もあることから、狭く感じたりプレッシャーを感じたりてしまうことがあります。そういうストレスをなるべく緩和できるように、中央(第2走行車線)は3.75mにしてあります。
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すべての高速道路ではなく、一部の交通量が多いとされる箇所に存在する3.75mの第2走行車線は、同社の管轄内では、伊勢湾岸自動車道の豊田東JCT-四日市JCT区間、また、新名神高速道路の一部開通している3車線の区間などにあるそうです。
交通量の多い片側3車線以上の高速道路では、左右の車線幅が3.5mで、中央の車線幅が3.75mと、その差はわずか25cmしかありませんが、いわれてみれば広い気がするくらいの感覚でしょう。
5ナンバーの小型車の車幅は最大で1.7m、3ナンバー車はそれより大きいですが1.8m前後、大型トラックやバスは一部の例外を除いて最大で2.5mですから、車幅からすれば道幅3.5mと3.75mでは大きな差ではありません。
しかし、この25cmが安心感を生み、両側に走行車がいてもストレスを感じないようになっていたのです。
道が狭く感じたり、トンネルなどで天井が低く感じたりする場所では、無意識のうちにクルマのスピードを落としてしまい、そこから渋滞を引き起こしてしまうことがあります。小さな差ではありますが、交通を円滑に流すために、大きな役割を果たしているといえます。
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