「国際免許」持ってたのになぜ? トラックで事故の外国人ドライバー「無免許」で逮捕! 「外免切替」問題にも批判殺到

福島県いわき市において、トラックで無免許運転をしたとして、京都府に住むスリランカ国籍の男が逮捕されました。男は国際運転免許証を所持していたものの、日本国内で有効な運転資格を満たしておらず無免許の状態でした。

外国人運転者をめぐる課題とは? 厳格化しても「外免切替は甘い」

 福島県警いわき中央署は先日、いわき市内の道路において中型トラックを無免許で運転したとして、京都府木津川市に住む自称・会社員のスリランカ国籍の男(38歳)を逮捕しました。

 警察によりますと、男は2026年7月1日の午後5時半頃、いわき市内の市道で無免許運転をした疑いが持たれています。男が交通事故を起こし、現場にかけつけた警察官が男の免許状況を確認したことで、無免許運転が発覚しました。

 なお男は国際運転免許証を所持していたものの、日本国内で有効な運転資格を満たしておらず、無免許の状態だったということです。男は仕事でいわき市を訪れていたと説明しているほか、警察の調べに対し容疑を認めています。

 この事案に対してはインターネット上で「たまたま事故を起こし、捕まえてみれば無免許。こんな外国人はいっぱいいそう」「日本の免許証を持っていない外国人にクルマを運転させないでほしい」「日本の道路交通法にのっとり、厳しく罰するべき」などの声が寄せられています。

 外国人が日本でクルマやバイクを運転するためには、以下のいずれかの運転免許証が必要になります。

ーー
●1. 日本の運転免許証
●2. ジュネーブ条約に基づく国際運転免許証
 アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダなどが対象
●3. 日本と同等レベルの免許制度を有している国または地域の運転免許証(大使館や領事館、JAFなどが作成した日本語の翻訳文が添付されているものに限る)
 スイス、ドイツ、フランス、ベルギー、モナコ公国、台湾が対象
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 スリランカの国際運転免許証については、上記2のジュネーブ条約に基づく運転免許証であるため、日本での運転が可能です。

 ただし上記2や3の運転免許証に関しては、原則として「日本に上陸した日から起算して1年間」または「運転免許証の有効期間」のいずれか短い期間までしか利用ができません。

 スリランカ国籍の男が所持していた国際運転免許証の詳細は明らかになっていませんが、男は来日してから1年以上が経過していたか、国際運転免許証の有効期間が切れていたことなどが原因で無免許状態だったと考えられます。

 いずれにせよ、日本で運転するための制度への理解不足がうかがえる事案といえるでしょう。

国際免許所持でも“無免許”に!? スリランカ人を逮捕(画像はイメージ、Ichiro/PIXTA)
国際免許所持でも“無免許”に!? スリランカ人を逮捕(画像はイメージ、Ichiro/PIXTA)

 このような外国人による無免許・飲酒運転や重大事故などは近年問題視されており、警察庁の統計では、外国人運転者による死亡・重傷事故は2023年が488件、2024年が540件、2025年が587件に上るなど、増加傾向にあることが分かっています。

 この外国人運転者による重大事故の増加には、外国の運転免許証を日本の運転免許証に切り替える「外免切替」の手続きの緩さが影響していると言われています。

 基本的に外免切替の手続きは、書類審査、適性試験、知識確認、技能確認という流れで実施され、日本の交通ルールについて問う知識確認の試験に合格すると、運転技能をチェックする技能確認の試験を受けられます。そして技能確認に合格すれば、日本の運転免許証が交付されるという仕組みです。

 この手続きについて、以前は観光客のような短期滞在の外国人でも、宿泊しているホテルを住所地として書類の申請ができたほか、知識確認の試験ではイラスト問題がわずか10問しか出題されない上、70%以上という比較的低い正答率で合格できるという実態がありました。

 その後、外免切替によって日本の運転免許証を取得した外国人による重大事故が相次ぎ、多くの批判が寄せられたことから現在は手続きが厳格化され、観光などの短期滞在の外国人は日本の運転免許を取得できなくなりました。

 また、知識確認に関してはイラスト問題を廃止して問題数を50問に増やし、合格基準を正答率90%以上に引き上げたり、技能確認では課題の追加や採点を厳格化したりする措置がとられています。

※ ※ ※

 外免切替の手続きが厳格化されたとはいえ、日本で一から普通免許を取得する場合は学科試験95問のうち90%以上正答しなければならないため、「依然として甘い」「外国人優遇ではないか」との指摘も聞かれます。

 今後は外免切替のあり方に加え、外国人に対する運転免許制度や交通ルールの周知徹底方策について議論していく必要があるでしょう。

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Writer: 元警察官はる

2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。

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