ノートが売れ行き好調の陰に、販売現場は「新型車欲しい」 登録車はトヨタに次ぐ2位も国内販売は5位の日産
2年に1車種しか国内に新型車を発売していない日産
しかし2005年以降は、新型車の発売が次第に滞り、特にスズキ/ダイハツ/ホンダが軽自動車の売れ行きを伸ばした結果、日産の順位が下がり始めました。
軽自動車の新車販売比率は、1980年頃は約20%でしたが、1998年に現在の規格が導入されて30%に増えます。そこからさらに増加して今は36%になり、この過程で日産はランキング順位を下げました。日産も軽自動車を用意していますが、他メーカーはそれ以上の売れ行きになるからです。
またホンダは、先に述べたように登録車の台数も多く、軽自動車メーカーといわれたスズキも、今では登録車が約19%を占めます。
各メーカーの販売比率を増やしているのは新型車で、ホンダは軽自動車のN-BOX、スズキではスペーシアのような軽自動車と併せて、スイフトやソリオなどの小型車が充実してきました。
このように、活発な商品投入が見られるなかでも、日産はほとんど国内に新型車を発売していません。直近で見ると2014年にデイズルークス、2015年は改良やグレード追加のみです。2016年にセレナ、2017年にリーフで、2018年はありません。つまり2年に1車種くらいですから、差を付けられて当然です。
日産の考え方では、世界の市場を公平に見た場合、日本は成熟市場で将来性が高いとはいえません。そこで新型車と売れ筋車種の台数を抑え、その代わりにe-POWERを投入するなど1車種当たりの売れ行きを伸ばす方針を取っています。
例えば小型車であれば、キューブやマーチは設計が古く、緊急自動ブレーキも装着されません。ティーダ、ラティオ、ウイングロードなどは生産を終えました。コンパクトカーはノートのみに特化して、e-POWER、スポーティなNISMO、SUV風のCギアとバリエーションを充実させています。
同様にミドルサイズは、ミニバンのセレナと売れ行きが下がり気味ですがSUVのエクストレイル。軽自動車のデイズとデイズルークス程度で、残りは電気自動車のリーフになります。
上記以外の車種は、販売に力を入れません。2017年におけるスカイラインの売れ行きは、1973年(4代目/通称ケンメリ)のわずか2%でした。45年前のスカイラインは月販平均が1万3133台でしたから、今の「最も売れている登録車」のノートを上まわっていたのです。