本格四駆車のシフトレバーそばにある「トランスファー」どう使う? 4WDに「パートタイム」「フルタイム」がある理由
トランスファーが自分の車に付いていても一度もシフトしたことがない人も
ちなみに、最近は見かけなくなりましたが、80年代まではエンジンの駆動力をウインチの原動力に使うというクロスカントリー4WDも少なくありませんでした。この機構を「PTO」(パワーテイクオフ)といい、その駆動力の分配もトランスファーが行なっていました。ただし、最近のウインチは電動が主流となっています。
パートタイム4WDに付いているトランスファーについて簡単に説明してきましたが、自分の愛車に付いているのにまだ一度もシフトしたことがないという人もいるのではないでしょうか。埼玉県にあるオフロードコース「ブロンコ」のオーナである竹村吉史さんによれば、来場する人の約2割が4Lにシフトしたこのない“未経験者”なんだとか。
「コースの中には難セクションがあり、4Lにしないと走れない場所があります。そういった場所を初めて走破した人は、改めてトランスファーを持つクロスカントリー4WDの凄さと素晴らしさに感動していますね」と竹村さんは言います。そして「こういうクルマに乗っているなら、一度は4Lにシフトしてオフロードを走ってもらい、もっとクロスカントリー4WDの凄さに気づいてほしい」とも語ってくれました。
紅葉の林道にドライブにでも行って、4Lにして走ってみてください。クロスカントリー4WDの高い潜在能力を体感すれば、普段乗りとはまったく異次元の魅力にハマるはずです。
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Writer: 山崎友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。