電源、空間、悪路走破… 災害に強くいざという時に役立つクルマはどんな車種?

家庭用電源も使え、悪路も走れるSUV

 キャンピングカーでなくても、災害時に強いとされるEV系車種も現在は多くなりました。中でも注目なのが、三菱自動車の「アウトランダーPHEV」です。

家庭用コンセントも標準装備され、ドライヤーを使うことも可能(画像:三菱 アウトランダーPHEV)

 アウトランダーPHEVは家庭や急速充電ステーションでシステム用のバッテリーを充電し、電気で走るというクルマ。高速では2.4リッターエンジンに直結して走ることもできるハイブリッドシステムを採用しています。注目なのは2018年8月のマイナーチェンジにより、100Vコンセントが2口も標準装備となったこと。2口コンセントがあれば、いろいろな電器製品の使用や充電できるはずです。

 三菱自動車広報部に話を聞くと、「アウトランダーPHEVのコンセントから供給される電流は、家庭用の正弦波を模した電流にしており、歪み率が低くなっています。そのため、医療機器や工作機械などの精密機器を除けば、ほぼすべての電化製品が使っていただけます」と言います。

 ちなみにアウトランダーPHEVは走行用バッテリーがフル充電であれば、1日で約100台分の携帯ガジェットの充電が可能とのこと。今回の北海道地震でも、停電が各地で起きており、携帯(スマホ)が充電できないという報道が多くみられました。ガソリン満タン状態なら約10日間の電力供給が可能ということなので、避難生活では実に心強い味方になってくれます。

 このクルマ以外にもトヨタ、日産などからハイブリッド車やEVが出ていますが、アウトランダーPHEVには他車にはないアドバンテージがあります。それは悪路走破性です。

 今年の自然災害では道が冠水したり、崩壊したりと、クルマの走行自体が難しくなるシチュエーションが多々ありました。JAFが行った「車両は冠水路を走破できるか」というテストでは、セダンは30cmの水深でまったく走行できないことが分かりました。それに対して、SUVは水深が30㎝なら30km/hまでの走行が可能で、水深60㎝でも10km/hなら走れるという結果が出たのです。

 SUVやオフロード4WD車は、最低地上高が高いゆえにエンジンが高い位置にあり、水の影響を受けにくいのです。三菱自動車広報部によれば「詳細数値は公表していませんが、このデータ以上の渡渉能力をアウトランダーPHEVは持っており、PHEVシステムの防水性能も十分に持ち合わせています」ということでした。

 アウトランダーPHEVはツインモーター4WDシステムを採用していますが、ロックモードを選べば、パートタイム式4WDと同等の悪路走破性を持っているのです。これは災害現場からの脱出ということを考えれば、非常に重要な性能になってきます。

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