海のギャングによる神ワザ駐車を見た! 北米へと旅立つ自動車専用船「ハーキュリーズリーダー」に潜入

巨大な立体駐車場を駆け巡る「ギャング」

 船の構造は全12層からなり、巨大な立体駐車場ともいえます。船内では、通称「ギャング」(組、仲間が語源)と呼ばれる駐車専任スタッフが、バックミラーは終始畳んだまま駐車作業をし、前後間30cm、左右幅10cmの間隔で1時間あたり1ギャング(22名から24名で構成)につき約100台を船に格納しています。

ギャングによる作業の様子

 ギャングは『陸上の車両場から船内まで移動させるドライバー(横付ドライバー)』と『船内から所定の位置に駐車する(本付ドライバー)』に別れています。本付ドライバーは、誘導スタッフによる笛の音をもとにクルマを動かして、前述の間隔で駐車します。

 自動車専用船「ハーキュリーズリーダー」では、日本国内の4つの港で各積荷を積載し、米国にある5つの港で積み下ろすといいます。この船には、約20名近い多国籍(インド・フィリピン・ベトナム・ルーマニアなど)の船員が乗船し、食事に関してはコックがそれぞれの国に合わせた料理を提供しています。

 巨大な自動車専用船の運行方法について、日本郵船株式会社の広報グループは、「船の操作は自動操縦で行なうなど、たくさんの電子機器で制御しています。ただし昔ながらの灯火や旗の掲示、コンパスや双眼鏡による目視確認も同時に行ない、危機回避策を実施します。また、外洋などある程度船もまばらな海域では、航海士と操舵士の2名で当直をおこない、4時間ごとの交代制で船を動かしています」と説明します。

 取材後も、寸分の狂いもなく的確にクルマの船積み作業が行なわれていました。自動車専用船とそのなかで神業を繰り広げる「ギャング」の方々は、日本のクルマ産業を支える影の力持ちといえるでしょう。

【了】

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