全長4.3m台の三菱「“小さい”SUVミニバン」に再反響! 時代先取りのデザインに「10年以上前に予測していたのは凄すぎる」「シエンタの対抗馬として完璧なサイズ感」 13年公開の「ミツビシ・コンセプトAR」とは

2013年に公開され、今なお色褪せない魅力を放つ三菱「ミツビシ・コンセプトAR」について振り返ります。

時代を先取りしたコンセプトモデル

自動車メーカーは、コンセプトカーという形で未来のビジョンを提示します。その大半は市販されることなくショーの舞台だけでその役目を終えますが、中には時を経ても色褪せない魅力的な提案を含んだモデルも存在します。

その一台が、三菱自動車(以下、三菱)が提案した「ミツビシ・コンセプトAR」です。

 このクルマが世界で初めて公開されたのは、2013年11月に開催された第43回東京モーターショー2013の舞台でした。この年の三菱ブースでは、電動化技術と安全技術を重視したクルマづくりが強調されており、コンセプトARは大型SUVの「コンセプトGC-PHEV」、コンパクトSUVの「コンセプトXR-PHEV」と共に、ワールドプレミアを飾った3台のコンセプトカーのうちの1台でした。

 車名に冠された「AR」は、“Active Runabout(アクティブ・ランナバウト)”を意味しています。このモデルが目指したのは、「次世代コンパクトMPV」という新しいジャンルでした。具体的には、SUVが持つ機動性(走りや取り回し)と、MPV(ミニバン)の居住性(室内空間)を融合させるというコンセプトです。

 エクステリアは、SUVを思わせる力強い印象と、空力性能を追求したクリーンなフォルムを両立させていました。フロントマスクはグリルとヘッドライトに一体感を持たせ、アンダーガード風のデザインや張り出したホイールアーチが、コンパクトなボディにタフな雰囲気を与えています。

 また、リアピラー部には「エアアウトレット」と呼ばれる空気の排出口を設けるなど、空力抵抗を低減するための工夫も凝らされていました。

 公表されたボディサイズは全長4350mm×全幅1780mm×全高1690mmです。全長4.3m台という扱いやすいサイズながら、ホイールベースを長めに確保することで広い室内空間を実現し、乗車定員は6名とされていました。

ちいさなSUVミニバン!
ちいさなSUVミニバン!

 インテリアは「余計な装飾を省いた」というテーマのもと、落ち着いた空間が広がります。3列シートレイアウトを採用し、乗る人数や荷物に応じて多彩なシートアレンジが可能でした。運転席周りでは、タブレット端末のようなインターフェースを車内から取り出して操作できるなど、当時のコネクテッド技術の未来像も示されていました。

 パワートレインにも、意欲的な技術が採用されていました。1.1リッター直列3気筒直噴ターボ「MIVEC」エンジンに、48Vのマイルドハイブリッドシステムを組み合わせています。このシステムは、48VのBSG(ベルト駆動式スターター/ジェネレーター)と48Vのリチウムイオンバッテリーで構成され、エンジンの最高出力136PS、ジェネレーターの出力13PSを発揮。小排気量でありながら、ターボとモーターのアシストによって十分な動力性能と優れた環境性能の両立を目指していました。トランスミッションは補助変速機付きのCVTで、駆動方式は2WD(前輪駆動)でした。

 目標とされた燃料消費率は24km/L以上で、高張力鋼板を多用した車体の軽量化プログラムと合わせて、高い環境性能が追求されていました。

 安全装備においても、三菱の予防安全技術「e-Assist(イーアシスト)」をはじめとする当時の先進技術が構想されていました。危険を察知して安全機能を的確に作動させるシステムや、車両の故障を早期に検知してドライバーに点検を促すコネクテッドカー技術などが盛り込まれていました。

 現在の市場トレンドであるSUVとMPVのクロスオーバーという概念を先取りしていましたが、コンセプトARが市販化されることはありませんでした。

 しかし、「1.1リッターダウンサイジングターボ」や「48Vマイルドハイブリッド」といった技術、そしてコンパクトなボディに多人数乗車とSUVテイストを盛り込んだパッケージングは、今見ても非常に魅力的です。もしこのコンセプトがそのまま市販化されていれば、日本のコンパクトミニバン市場に新しい選択肢をもたらしたことは間違いないでしょう。

 同モデルに対し、ネット上やSNSでは、今の日本の自動車市場のど真ん中を突くようなパッケージングへの称賛が最も多く、「今のトレンド(SUV×ミニバン)を10年以上前に予測していたのは凄すぎる」「全長4.3mは日本の狭い道に最適。トヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード』」の対抗馬として完璧なサイズ感」「デリカD:5は大きすぎるし、デリカミニでは小さい。この中間サイズがずっと欲しかった!」といった声が寄せられています。

 また、「三菱はいつもコンセプトカーは最高にカッコいいのに、そのまま市販化されないのが本当にもったいない」「当時そのまま出していれば、バカ売れして市場をひっくり返せたかもしれないのに」「今からでも遅くないから、このままのデザインとサイズで作ってほしい」といった市販化されなかったことへのもどかしさも見られます。

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Writer: くるまのニュース編集部

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