渋滞対策で増える「ペースメーカーライト」 なぜか日本初導入の新名神だけが一時停止?
そもそも、LEDペースメーカーライトは何のために設置されている?
PMLが設置されている目的は、簡単に言うと渋滞防止です。ネクスコ西日本の公式サイト「新名神高速道路の先進技術」の冒頭に、日本初の「トンネル照明灯具を用いたペースメーカーライト」として以下のように紹介されています。
・サグ部や長い坂部となるトンネルに設置
・緑色点灯の流れにより、速度抑制・速度回復の定速走行を支援
多くのドライバーは渋滞が発生しやすい「サグ部」(下り坂から上り坂になる場所)や、トンネル内では無意識に速度を落として走行します。PMLには「順調に流れているときは青いライトの動き(速度)に合わせてペースを落とすことなく走ってください」という意味が込められており、その名の通り「ペースメーカー」としての役目を持っているのです。
また、PMLとしての機能の他に、日本初導入の「トンネル照明灯具を用いたサイン照明」として、
・トンネル内の事象に対応した色表示による情報提供
・車両火災発生時に赤色点滅
・事故/落下物などの注意喚起時に黄色点滅
と書いてあります。
それでは、全国各地の高速道路に設置が進んでいるPMLは、いつ頃からあったのでしょうか?製造会社の一つである高木綱業に聞いてみました。
――PMLはいつ頃から採用され始めたのでしょうか?
当社のPMLは新名神の埋め込み型とは違って、設置が簡単なタイプで7-8年前に、アクアラインをはじめとする高速道路のトンネルに設置しました。渋滞が発生しやすい箇所で、混雑時間帯に青色または緑色のLEDライトの光を進行方向に沿って任意の速度・明るさで点滅させます。流れる光の動きを見て、自車の『速度低下』を意識して速度を上げて交通の流れがよくなり、結果、渋滞が緩和されることを目的としています。
――御社のPMLの特徴は?新名神のタイプと違うのは?
小型なので高速道路の様々な場所に簡単に設置ができます。また、状況に応じて発光体の点灯サイクルを変化させることが可能です。また、新名神のPMLはトンネルの照明を利用した埋め込み型になっていますが、当社の製品を含め、外環道やアクアラインにつけられたPMLはドライバーの目の高さに合わせた場所に設置しています。