「ペダル踏み間違い」は駐車場がダントツ! 自動車メーカーの対策とは
ニュースに取り上げられる機会が多い「ペダルの踏み間違い事故」。その背景には、高齢ドライバーの増加がありました。増える高齢ドライバーによる事故には、どのような対策が施されているのでしょうか。
事故要因に高齢ドライバーが多い理由とは
近年、交通事故で問題となっている「アクセルとブレーキペダルの踏み間違い事故」。かなりの頻度でニュースに取り上げられています。では、踏み間違い事故の要因はどのようなものなのでしょうか。
問題となっている「アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違い」による事故を年齢別に見てみると、高齢ドライバーといわれる65歳以上のうち、75歳以上のドライバーの割合が高くなっています。
また、過去10年間で運転免許を保有する高齢者は約2倍に増加。今後も高齢ドライバーは、増え続けることが予想され、同時に「アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違い」による事故件数増加が懸念されています。
ペダル踏み間違い事故の要因としては、『慌て、パニック』が最も多く『高齢』『乗り慣れないクルマ』と続いています。『慌て、パニック』とは、ドライバーが何らかの危険を察知して、回避する際に慌てるなどパニックに陥る状況です。続く『高齢』は、年齢的な衰え(視覚機能、注意力の低下や情報処理の遅れや誤り)が影響しています。
ペダル踏み間違い事故は駐車場がダントツ
踏み間違い 駐車場ダントツ
ペダル踏み間違いの発生場所は、年齢に関係なく駐車場での発生が大半を占めます。駐車位置を探すために場内を徐行し、枠に停めるまでの間に「発進・直進・後退」と複合的な操作の連続が大きな要因です。
ペダルの踏み替え回数増加や細かな速度調整など、運転操作の要素と前述の『慌て、パニック』や『高齢』が重なり合うこととで、駐車場での事故が多くなります。
また、高齢ドライバーでは建物や塀などに衝突する事例が多く見られます。これは、場内の限られたスペースで運転操作を行なう必要があるため、車両の切り返し操作や加減速調整が『高齢』により若年層に比べ反応しづらくなっていることを示しています。
また、高齢ドライバーの事故率が高い要因には、着座姿勢(ドライビングポジション)が関係しています。通常の運転時も同様ですが、正しい運転姿勢が重要です。
とくに、駐車時は「発進時」や「直進時」とは違い、「後退時」における運転姿勢の変化が必要になる場合があります。高齢ドライバーは、身体の柔軟性や瞬発力が低下し、この部分でも瞬時のペダル踏み間違いに影響を及ぼします。