クルマの販売戦略は顔に出る? 車種専用エンブレムが減っているワケは…
クルマの「顔」に取り付けられるエンブレムの多くは、メーカーで統一したものとなっています。しかし、近年は車種ごとの専用エンブレムが減少しているようです。そのワケは販売戦略とも密接にかかわっていました。
トヨタはなぜ車種ごとのエンブレムが多いのか
クルマのフロントから見たど真ん中、グリル部分やその直上に取り付けられたエンブレムの多くは、メーカーで統一したものとなっています。各社のテレビCMなどでも繰り返し映し出されていることもあり、日産といえば「NISSAN」のマーク、ホンダといえば「H」のマークと思い浮かぶ人もいるでしょう。
これが車種ごとに異なってくるのがトヨタです。楕円に「T」があしらわれたマークが取り付けられた車種と、そのクルマならではのエンブレムが採用されている車種とが混在しているのはなぜでしょうか。
専用エンブレムが採用されている車種は、「クラウン」や「センチュリー」といった高級車から、「アルファード」「エスティマ」「エスクァイア」といったミニバン、さらには「ハリアー」「アリオン」「プレミオ」などなど。また、「ヴィッツ」「ヴェルファイア」「ヴォクシー」には、トヨタの販売チャネルのひとつ「ネッツ」の「N」マークが採用されています。
エンブレムの違いは、ひとつにはその車種を扱う販売店の違いを表しているようです。トヨタによると、「『クラウン』や『カローラ』シリーズなど、チャネル専売商品(クラウンは東京を除いてトヨタ店、カローラシリーズはカローラ店でそれぞれ専売)は個別エンブレムを採用していますし、『プリウス』や『86』など、複数チャネルで併売する車種はトヨタエンブレムを採用しています。また、後発チャネルであるネッツ店の専売車種は、ネッツのエンブレムです」とのこと。
そして「レクサス」については、「ブランド育成の観点から(『L』の)エンブレムを統一しています」といいます。そのような傾向はあるものの、車種ごとのエンブレムを設ける基準が厳密に決まっているわけではないそうです。