「観音開き」が斬新!「RX-7」の影に隠れた新型ロータリーエンジン搭載の「RX-8」
マツダは、2003年3月に「RX-8(SE3P型)」を発売しました。前後ドアが観音開きになる『フリースタイルドア』は当時話題を呼んだ仕様です。名車「RX-7」の影に隠れがちな「RX-8」とはどんなクルマでしょうか。
新方式のロータリーエンジンは最高出力250PS
2002年8月にマツダは、1978年から続いたRX-7シリーズの生産を終了しました。しかし、既に後継車種と予想される車両の開発が行われていることが報じられており、ロータリーエンジン復活の期待を背負って2003年3月に「RX-8(SE3P型)」が発売されました。
新しく登場したRX-8のロータリーエンジンは、空気の取り入れ方法を変更し「RENESIS」と名付けられた自然吸気型13B-MSP型が搭載されます。「RENESIS」とはロータリーエンジン=“RE”と「始まり」の“Genesis”から作られた造語です。
上位グレードの「TYPE-S(6速MT仕様)」は、最高出力250PSで、エンジン回転数の上限は毎分9000回転という超高回転型になっていました。燃費や排気ガスのクリーン化についても大幅な改善を実現しただけでなく、ロータリーのエンジンサウンドとともにどこまでも回転上昇を続けていきそうなエンジンを持つモデルです。
大人4人の居住性を確保した「フリースタイルドア」による4ドアモデル
初代サバンナRX-7(SA22C型)から最終モデルとなったマツダRX-7(FD3S型)までは2ドアハッチバックボディを継承していましたが、RX-8は、前後ドアが観音開きになる『フリースタイルドア』と呼ばれるシャシを採用した4ドアクーペになっています。
クルマに詳しくない人が見れば『ちょっとスポーティな4ドア車』ですが、最終型RX-7と同様に前後50:50の重量配分や、RX-7よりもエンジン搭載位置を下げたことで重心を低くするなど驚異的な旋回性能を有する本格スポーツカーに仕上がっています。
マツダが制作したRX-8の宣伝用ムービーでは、少年の頃に初代RX-7の模型を自転車の籠に入れて走っていた少年が大人になり家族を持っても『家族や友人を大切にしながらも子供の頃の夢を忘れない』という思いが描かれていました。4ドアで4人乗りのスポーティカーRX-8ならではの宣伝といえます。