ルノーのクーペSUV「アルカナ」の新グレード「E-TECHエンジニアード」は雨の都内で何を示すのか【PR】
2023年4月、ルノーのクーペSUV「アルカナ」の新グレード「E-TECHエンジニアード」が発売されました。今回はスタイリッシュでスポーティな「アルカナ」の新グレード「E-TECHエンジニアード」を、雨の都内でモータージャーナリストの山田弘樹(やまだ こうき)さんに体験してもらいました。
今、勢いのあるルノーの「アルカナ」新グレードが放つ存在感
いま日本で、ルノーに変革期が訪れています。
これまでどちらかといえば知る人ぞ知るブランドで、熱烈なファンたちに愛されるブランドとして支持されてきたルノーが、2022年の日本におけるフランス車の販売台数でナンバーワンを獲得しました。
その立役者となったのが、今回紹介する「アルカナ」です。
同社初、そして輸入車としても初となるフルハイブリッドシステム「E-TECH フルハイブリッド」を搭載したアルカナは、「ルーテシア」や「キャプチャー」たちと共に、2022年度ルノー・ジャポン総販売台数を8600台規模へと押し上げる起爆剤的存在になりました。これは2021年度と比べると約1000台近くも増加していることになります。(2023年1月11日発表)
今回試乗したのは、そんなアルカナの新グレードとなる「E-TECH エンジニアード」。最大の特徴はその外観で、あえてルノーのエンブレムや「ARKANA」ロゴをブリリアントブラックにステルスメークし、グリルに加飾される「F1ブレード」とリアバンパーのツインエキゾーストフィニッシャーをウォームチタニウムカラーで仕上げることで、そのスタイルに磨きをかけています。そしてなんとこの「E-TECHエンジニアード」は、限定車ではなくカタログモデルなのです。
ルノー初のフルハイブリッドシステム
注目のハイブリッドシステムは、自然吸気の1.6リッター直列4気筒ユニット(94PS/148Nm)に、2モーターの組み合わせ。
このE-TECHハイブリッドが独特なのは、駆動用のメインモーター(49PS/205Nm)に2段のギアを組み合わせていることです。そしてさらにエンジンにも4段のギアを組み合わせ、多彩なギアリング(正確には12通り)で、街中から高速巡航までを幅広くカバーします。また、スターターと発電機を兼ねるサブモーターであるHSG(ハイボルテージスターター&ジェネレーター:20PS/50Nm)が、充電や走行をアシストします。
ちなみに、日本のハイブリッド車の多くは、モーターにもエンジンにもトランスミッションはありません。なぜルノーがこの方式を選んだのかといえば、それはフランスをはじめとしたヨーロッパの多くで、上限130km/hの高速巡航が許されているから。これなら従来型のハイブリッド車だと効率が落ちてしまう高速巡航でも、ディーゼルターボエンジンと代替できるという考えです。
日本でも新東名や東北自動車道、東関東道の一部で120km/h区間が誕生していることを考えると、時代のニーズを先読みしたハイブリッド車だといえそうです。ちなみにそのカタログ燃費は、WLTCモードで22.8km/L、高速道路モード(WLTCーH)では23.5km/Lと、CセグメントのSUVクーペとしては上々の燃費を誇ります。