黒マスクは危険? 車から見るとこんなに違った! マスクの色で変わる安全性の違いとは【PR】
ライトが当たると蛍光イエローの服とリフレクター素材のマスクはドライバーから格段に見えやすい!
また、リフレクター素材のマスクにも効果があることが分かりました。今回の結果について実験の環境条件や実施方法などを監修した北里大学医療衛生学部視覚機能療法学専攻の川守田拓志准教授はこうコメントしています。
「目立ちやすさに関わる要因は、様々ありますが、マスクに関していえば、マスクから反射する光の強さ(明るさ)と肌や服装との明暗差、面積の影響が大きいと思います。
やはり白は多くの光を反射するので、明るく、目立ちやすい色。昼間から夕方、夜間まで幅広いシーンで高い視認性を保つことができます。私たちの検証では、日没前には、黒色に比べて白色では、明るさ(輝度)が4~5倍の差がでました(条件によって変わる可能性があります)。
また、白でなくともパステル系の明るい色であれば一定の目立ちやすさを確保できると思います。最近ではリフレクター素材付きマスクや光るマスクなど、目立つマスクもでてきていて、これらもドライバーから見られやすくなる効果が期待できます。
服装との関係に関しては、明るい色の服装を着ている場合は、暗めのマスクでも服装との明暗差(コントラスト)で目立ちやすさを確保できます。服装が目立てば、夜間に暗い色のマスクでもそれほど気にする必要はないものと思います。
いっぽうで暗めの服装を選んだときは、意識して白など明るい色のマスクを選ぶのが望ましいでしょう。
服装に比べるとマスクの色の違いによる被視認性への効果が少ないのは事実です。しかし、人の顔は見られやすく、ドライバーの視線に近い位置でもあるので、マスクを人の肌より明るく、目立たせておくことは、交通安全の視点からも重要なように思います。
マスクを通してドライバーから見られやすくしようという心構えそのものが交通安全意識の向上につながるいい効果をもたらすことでしょう。」
車のライトが当たらない場合、色が濃いマスクほど車から見えづらくなる
また、衣装を監修した相模女子大学学芸学部生活デザイン学科 角田千枝准教授はこうコメントしました。
「色が濃くなる程見えにくくなることは勿論予測していましたが、実際に実験に立ち会ったことで、どの程度見え方に差があるのかを確認することができました。
例えば、実験前は白いマスクは薄い色のマスクよりもやや目立つ程度だと思っていました。ですが、実際には白いマスクは他の色のマスクに比べて見えやすさが際立っていました。そのため、暗い色の洋服の際には是非、白いマスクを推奨すべきと感じました。
そして、ブラックグレーのマスクは、髪の毛が黒や茶色の人が付けると顔面の肌の見える面積が極めて少なくなるため、遠目では頭部が真っ黒の塊となり闇と同化していました。つまり、ドライバーは首から下しか認識できないので、頭一つ分、危険性が増すのだと感じました。
ベージュのマスクは、遠目からはマスクを着けていないように見えました。つまり、マスクを着けずに外出していたコロナ禍以前とほぼ同程度の見え方であることが分かりました。また、リフレクター素材マスクは、ライトが当たった際に他のマスクよりも格段に目立っていました。
リフレクター素材マスクに使用されている再帰性反射材は、光源に向かって光が反射する性質を持っています。つまり、ドライバーからは光って見えるため目立ちますが、それ以外の人には光っているように見えません。
リフレクター素材マスクというと夜間に光って恥ずかしいと思う方もいるようですが、このような性能のため恥ずかしくは無いこと。また、表面が白いマスクだけでなく落ち着いた色合いのものもありますので、是非使用していただけたらと思いました。
このように身に付けるマスクにより、コロナ禍以前よりも安全にも危険にもなることが明らかとなった、非常に興味深い実験でした。」
実験で分かった!おしゃれでありながら安全な服装とは…
今回の実験をふまえ『おしゃれでありながら安全な衣服』として、3つの提案をしたいと思います。
1、同じ色味なら明るめの洋服を買おう
今回用意したオフィスカジュアルの女性会社員とシニア女性の衣服に着目すると、どちらもコートが茶系で中に着ているトップスとボトムスがグレー。色の名称を言葉で表すならばどちらも同じ色なのですが、選択している色味が、オフィスカジュアルの女性会社員は明るく、シニア女性は暗いという差があります。
そして実験の結果、オフィスカジュアルの女性会社員のスタイリングの方が視認性が高いことが確認できます。つまり、マスクや洋服を購入する際に、同じ色でも明るめの洋服を選ぶという意識を持つだけで、交通事故防止につながるといえます。
2、“安全でおしゃれな”同系色”コーデを
ファッションのコーディネイトのひとつに、“同系色コーデ”という手法があります。ジャケットやインナー、ボトムスなどを同系色でまとめることで、垢抜けたスタイリングにする方法です。今回の実験では、黒いスーツにブラックグレーのマスクを着けるとスタイリッシュで格好良いスタイリングとなりました。
しかし、実験結果から、衣服とマスク、どちらも濃い色のみの着こなしの場合、衣服着用部分とマスク着用の顔面部分が一体化することで、ドライバーからの視認性は極めて低く危険であることが分かりました。
そのため、暗い色の洋服を着たい場合には、「暗+暗」ではなく「暗+明」の組み合わせを実践してみていはいかがでしょうか。着たい濃い色の衣服と、同じ色味でありながら明るめの色のマスクや衣服を組み合わせると、簡単に安全でおしゃれなコーディネイトになります。
3、”差し色のマスク”でファッショナブルに
同系色でまとめる以外に、”差し色”を入れたコーディネイトもおしゃれになります。そこで、敢えて洋服とは異なる色のマスクを着けて、ファッショナブルな着こなしを楽しんでみるのはいかがでしょうか。
勿論、マスクか洋服のどちらか(可能なら両方共)には、必ず明るい色を選びましょう。
コロナ禍でマスクが欠かせない今だからこそ、マスクの色にもこだわろう!
今回の実験の結果から、以下のことが分かりました。
●マスクの色は被視認性に関係している
●明るいマスクのほうがドライバーからの被視認性が高い
●まずは服装の色が被視認性を左右するが、マスクの色でも被視認性が左右される
●特に濃い色の服装の時は、あえて明るいマスクをつけることを心掛けるべき
日が落ち始めてからの事故を防ぐためには、ドライバーが前方をしっかり見ることはもちろん、早めのライト点灯をして視認性を高めることが大切です。「おもいやりライト運動事務局」では、今回の実験で計測をした日没30分前にはクルマのヘッドライトを点灯するように呼びかけています。夕暮れ時は「まだ明るいかな」と思っていてもすぐに暗くなってしまうもの。早めのライト点灯で事故を防ぐ意識を持つことが大切です。
そして歩行者側も、ドライバーに気づいてもらえるように服装や色などで視認性を高める工夫をすることが大切です。それが事故を減らすため、そして何より自分自身を守ることに繋がるからです。
実験に立ち会った筆者(工藤貴宏)も、ひとりのドライバーとしてマスクの色による見えやすさの違いがここまであることに驚きました。また赤い服は意外に見えづらいこと、紺色のスーツや暗い色調の服装(シニア女性)は特に、白いマスクが被視認性を高めるうえで効果的だということも新しい発見でした。
巷では様々なデザインや色のマスクが登場し、服装とのコーディネイトも容易になってきました。コロナ禍の暗い雰囲気を、明るいマスクを選んで服装も意識も明るくしてみてはいかがでしょうか。それが交通安全の役にも立つとなれば、まさにいいことづくめです。
もっと詳しいことが知りたい方は、2020年12月18日、午後7時半に、おもいやりライト運動事務局が主催する新しい”交通安全運動様式”を考えるオンラインフォーラム「TRY-LIGHT ONLINE」が開催されますので、YouTubeで視聴してみることをオススメします。
(https://youtu.be/L9wIp4Wx-bk)
コロナ禍でマスクが欠かせない今年の冬だからこそ、マスクを交通安全に役立てて、交通事故を減らしていきましょう。
・株式会社 丸仁(再帰性反射材マスク)
https://light-force.jp
・株式会社リネアストリア/LINEASTORIA(ウィッグ)
ilovewig.jp
・北里大学医療衛生学部視覚機能療法学 川守田 拓志(監修)
https://www.visionclub-hub.com/kawamorita
・相模女子大学学芸学部生活デザイン学科 角田 千枝(監修)
https://www.sagami-wu.ac.jp/faculty-introduction/life-design/chie-t/
Writer: 工藤貴宏
1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。