走るコンピューター時代の自動車、ASV(先進安全自動車)とは?【PR】
近年、自動車はより高度で複雑な先進技術を搭載するようになっています。それに伴い、自動車整備士に求められる知識や技術も、年々専門性を増しています。この記事では、整備技術が高度化する要因となった先進安全自動車の装備について深掘りしています。
【この記事のポイント】
- ASV(先進安全自動車)について
- ASVの技術について
- 高度化する整備技術は専門学校で学ぼう
進化する自動車の先進技術
近年、自動車はより高度で複雑な先進技術を搭載するようになっています。
それに伴い、自動車整備士に求められる知識や技術も、年々専門性を増しています。こうした技術は急速に普及し、今では私たちの身近な存在となりました。

自動車の先進技術ってどんなもの?
ドライバーを支えるASV(先進安全自動車)の仕組み
先進技術を利用してドライバーの認知、判断、操作をサポートし、安全運転を支援するシステムを搭載した自動車をASV(先進安全自動車:Advanced Safety Vehicle)と呼びます。

なお、1991年度から現在まで30年以上にわたって、国土交通省が中心となって取り組んでいるASV推進計画があります。
これはASVに関する技術の開発・実用化・普及を促進するプロジェクトで、学識経験者、自動車・二輪車・自動車部品メーカー各社、関連団体、関係省庁をメンバーとしたASV推進検討会によって、ASV推進計画を円滑に進めるための検討が行われています。
そのASV推進計画では基本的方針として以下を策定しています。
1.ドライバー支援の原則
ASV技術はドライバーの意思を尊重し、安全運転を支援するもの。あくまで運転手が主体的に、責任を持って安全に運転するという前提がある。
2.ドライバー受容性の確保
ASV技術はドライバーが使いやすく、安心して使えるような配慮をする。
3.社会受容性の確保
他の自動車や歩行者などと一緒に走行するため、ASV技術を搭載した自動車は社会から正しく理解され、受け入れられるよう配慮する。
加えて「運転支援の考え方」というものもあります。これはASVの基本理念を運転支援の考え方として具体化したもので、これに沿って検討と実用化がなされます。

1.意思の疎通
ドライバーの意思や意図に沿った支援を行うこと
2.安全運転(安定的作動)
システムが安全な運転を支援すること
3.作動内容を確認(監視義務)
ドライバーがシステムの作動内容を確認できること
4.過信を招かない
ドライバーの過信を招かないよう配慮した設計をすること
5.強制介入可能
システムが行う制御に、ドライバーが強制介入できること
6.円滑な移行
システムの支援範囲を超えた際、ドライバーの運転操作切り替えが円滑にできること
これらと、7.安全性が後退しない(社会)、8.社会に受け入れられる素地の形成(社会)を加えた計8つの指針が「運転支援の考え方」として示されています。
(引用:ASVとは)
代表的なASVの機能とその役割
それでは、安全運転をサポートしてくれるASVにはどのようなものがあるのでしょうか? 具体的な例を見てみましょう。
衝突被害軽減ブレーキ(AEB)
クルマ同士の事故で最も多いのが追突事故です。AEBは追突事故などの被害を軽減、または回避することを目的としています。

車載のカメラやセンサーなどで前方の状況を検知し、クルマや歩行者、障害物に衝突しそうになった際に警告灯や音などで運転者に注意を促します。さらに接近した場合は運転者に代わり、自動でブレーキを作動させます。
この衝突被害軽減ブレーキは、2020年1月に国土交通省が保安基準を改正して、新型車への搭載(国産車は2021年11月から、輸入車は2024年7月から)を義務付けています。また、2025年12月からは既存のモデルについても、それ以降に生産されるクルマは義務化の対象になっています。
レーンキープアシスト(LKA)
車線維持補助装置を指します。これは運転者が無意識のうちに車線からはみ出しそうになった時に注意を促すシステムです。

クルマの前部(フロントウインドウなど)に付けられたセンサーが道路上の白線や黄線を認識し、車線から逸脱しそうになった際に音やディスプレー表示などで正しい位置に戻るよう警告します。
アダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)
車間距離制御装置です。クルマの前部につけられたカメラやセンサーが先行するクルマを検知し、システムがブレーキ操作とアクセル操作を行うことで車間距離を一定に保ち、追従走行します。

これは運転者の疲労軽減、車間距離の確保、下り坂から上り坂に変わる箇所(サグ)での減速による渋滞を緩和します。
横滑り防止装置(ESC)
走行の安定性を高める安全装置で、センサーがクルマの横滑りを検知すると、各車輪のブレーキを制御して車体を安定させます。
これは滑りやすい路面や急カーブの際に起こりやすい事故のリスクを軽減させます。なお、現在では装備が義務付けられています。
ふらつき警報
高速道路などの走行時(60km/h以上)に、ハンドル操作の乱れや修正操舵(そうだ)からドライバーの注意が低下していると判断した際に、ディスプレーの表示などで休憩を促すシステムです。
駐車支援システム
駐車を支援するシステムで、車載のカメラやセンサーで駐車スペースや周囲にある障害物の有無を認識します。AI(人工知能)が障害物に接触しないルートを探し、ハンドルやブレーキ、アクセルを自動制御して駐車するものの他、車両周囲の全方向を表示するもの、ハンドル操作を自動で行うものなどがあります。

その他にも、ミラーでは見えない後方の死角に別のクルマがいることを音で知らせる後側方接近車両注意喚起装置や、状況に応じてヘッドライトのハイビームとロービームを切り替えてくれる自動切り替え型前照灯などもあります。
普段、特に気に留めずに使っている機能も、実は安全に運転できるよう考えられた先進技術なのです。
“走るコンピューター”時代の整備士 変化に対応できる学びを
先進技術の説明で、「センサー」という単語が何度も登場したことからも分かるように、クルマは「走るコンピューター」といっても過言ではないほど、より高度な技術が使われ、複雑化しています。

こうした変化に対応するため、自動車整備士にも電子制御装置に関する知識や技術がより一層求められるようになっています。

自動車はこれからも進化を続けていきます。
しかし、どれほど技術が高度化しても、整備士の役割の本質は変わりません。新しい技術に柔軟に対応しながら、人と車の安全を守る――それがこれからの自動車整備士に求められる姿です。
進化を続ける車に対応できる知識と実践力を身につけることが、大きな強みとなるでしょう。

















