道なき道を時速180kmで走る! 米国伝統のオフロードレースに参戦した 日本人ドライバーとトーヨータイヤのチャレンジとは【PR】
過酷なオフロードを時速180km以上で走るタフなレース
さてミント400は、1周100マイル(約160km)のコースを4周するレースです。このコースは2012年に新たに設定されたもので、コブシ大の石がゴロゴロと転がっている上に、1mほどの高さのコブが連続する厳しいウォッシュボードがあることで知られています。
そんなコースを、場所によってはアンリミテッド・トラッククラスだと最高速度は約200km/h、三浦選手が出場したカテゴリーでも180km/hを超える速度で走り、2時間弱で1周を駆け抜けるといいます。マシンやタイヤ、そしてドライバーにかかる負担は非常に大きなものですが、それでも三浦選手はミント400出場マシンのポテンシャルに驚きを隠せません。
「改造の許容範囲が広いということもありますが、とにかくサスペンションの性能がケタ違いで、どこまでも行けちゃう感じがするんですよ。でも性能が高いので、限界を超えてしまった場合はクラッシュするんだろうなと思いましたね」。
写真を見るとわかりますが、三浦選手が乗ったマシンはシャシからレース用に作られているもので、トラックとは名ばかり。軽量なボディとフレーム、長く太いダンパー、そして非常に大きなタイヤを採用しています。ちなみにタイヤサイズは40×13.5R17、サイズだけを見ても高い耐衝撃性能とトラクション性能を持っていることが想像できます。
「決してお世辞ではなく、非常に高い性能を発揮してくれました。今回、僕が乗ったマシンはFRだったのですが、テールスライドに対してシビアにならざるを得ないんだろうなと予想していました。
しかし実際に乗ってみると、タイヤの接地長が長いのか縦方向のトラクション性能が非常に高く、アクセルを踏みながらもスライドコントロールが実に容易でした」。
ちなみに、レースの結果は残念ながらリタイア。
オープンカントリーM/T-R はパンクすることもなくノートラブルでしたが、2度にわたる不運なマシントラブルに見舞われ、リカバリーしている間に時間切れになってしまったといいます。
しかし、今回のチャレンジは今後の大きな糧になったと三浦選手は語ります。
「じつは、純粋なレーシングマシンに乗るというのが、今回が初めての経験でした。ダカールラリーでは4WDのランドクルーザーで参戦していましたから、2輪駆動でレースをおこなうのも初めてです。
マシンは非常に高いポテンシャルを持っていましたが、同時にドライバーにも高いスキルが求められます。繊細なアクセルワークだったり、より俊敏な判断力であったり。
今回体験したことが、また今後のダカールラリーでのさまざまな局面で活かせられると思っています。加えて、僕はトヨタ車体の社員としてランドクルーザーの開発にも携わっているので、今回乗ったマシンや体験したさまざまな状況をクルマづくりに反映させていくつもりです」とコメントしています。
世界を股にかけてのチャレンジを続ける三浦昂選手。6月には、再びオープンカントリーM/T-Rとタッグを組んで、スペイン・アンダルシアラリーに参戦予定とのこと。
Writer: 山崎友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。