トーヨータイヤの新たなる挑戦 ダカールラリーを駆ける「オープンカントリーM/T-R」とは?【PR】
世界一過酷なモータースポーツといわれるダカールラリー。トーヨータイヤは強豪「チーム・ランドクルーザー・トヨタオートボデー(TLC)」とタッグを組み、2022年1月に開催されるダカールラリー2022に挑戦します。その足元に装着するタイヤ「オープンカントリーM/T-R」はどのように開発されたのでしょうか。
ダカールラリーで戦うために開発されたオープンカントリーM/T-R
「世界一過酷なモータースポーツ」として、世界中のファンから注目される「ダカールラリー2022」の開催が目前に迫っています。
このクロスカントリーラリーにおいて、T2市販車クラス9連覇をかけて挑むのが、トヨタ車体が率いる「チームランドクルーザー トヨタオートボデー(TLC)」。同社の社員でエースドライバーの三浦昂選手を筆頭に、チーム一丸となってサウジアラビアの荒野に挑みます。
TLCの挑戦に新たなパートナーとして加わったのがトーヨータイヤです。
2022年大会からTLCをサポートし、「オープンカントリーM/T-R」を供給します。
オープンカントリーM/T-Rは、北米大陸で開催されている「BAJA1000(バハ1000)」をはじめとする複数のオフロードレースで実績を上げてきたタイヤです。今回TLCに供給するのは、ダカールラリーの路面と出場車両である「ランドクルーザー」とのマッチングを考慮した新開発のタイヤ。それは、はたしてどのような性能を持っているのでしょうか。
TLCがトーヨータイヤを採用するにあたり最初にテストしたのは、北米で市販されているオープンカントリーM/T。しかし、砂地やガレ場の多い中東でのラリーに向けて、超低空気圧でのビード落ち対策やトレッド面のチッピング改善、ハンドリング向上といった要望がTLCから寄せられました。
開発スタッフで、ダカールラリー本番でもTLCに帯同するTOYO TIRE(株)技術開発本部 OEタイヤ開発部の松原圭佑さんは「2020年から秘密裏に開発を進め、国内外で実車装着テストを繰り返してきましたが、開発ドライバーであるTLCの三浦選手から都度、的確なフィードバックがあったことで、スムーズに開発を進めることができました」と、話します。
コロナ禍で海外での実車テストが制限されながらも、開発は順調に進み、トーヨータイヤは2021年7月にチームへのサポートを正式に発表しました。プロジェクトリーダーであるTOYO TIRE(株)技術開発本部 OEタイヤ開発部部長・坂田利文さんは「タイヤの性能が認められたという点と、パートナーとしてのサポート体制がTLCに認められたということだと思います」と語ります。
実際に、出来上がったオープンカントリーM/T-Rを見てみましょう。まず目に飛び込んでくるのが、サイドウオールに浮き上がる「ATTACK THE DESERT」の文字。まさにダカールラリーのために作られた証です。モータースポーツファンの心をくすぐります。
トレッド面は、従来から一般販売されているオープンカントリーM/Tと並べてみると分かりますが、従来のものをベースに調整が加えられています。
ブロックひとつひとつの角が少なく、サイプも入っていません。そのためすっきり、かつ力強い表情を持っているのが特徴です。
「ブロックの角とサイプを少なくすることで損傷を減らし、タイヤの耐久性をアップするのが狙いです」と松原さん。
一般向けタイヤと違い、オープンカントリーM/T-Rは静粛性を求める必要がなく、静粛性を高めるための細かいサイプを無くしています。また、一般向けのタイヤは、大きさが微妙に異なるブロックを配置し、パターンノイズの音程を分散させる工夫を施していますが、オープンカントリーM/T-Rは同じ大きさのブロックを等長ピッチに配列しています。ブロックひとつを見ても塊感が強く、根元からいかにも頑丈に伸びていることがわかります。
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レースにおけるタイヤは、ある意味でもっとも重要なパーツです。
どんな高性能なエンジンやサスペンションをマシンが持っていたとしても、タイヤがエンジントルクを路面にきちんと伝えることができなければ、前進することができません。砂というシチュエーションではなおさらです。力を加えればサラサラと崩れてしまう砂地は、タイヤのトラクション性能を発揮させるという点で難しい路面です。
トラクションがなければ前に進まず、タイヤが空転してスタックします。逆にトラクションがかかり過ぎると、パワートレインへの負担が多くなり、最悪の場合はマシントラブルに繋がってしまいます。
砂地を走る場合、タイヤの空気圧を落としてトレッドの接地面積を通常よりも拡大させることで、トラクションを稼ぐという方法が一般的です。
しかし、空気圧を大幅に落とすと耐久性が大きく低下し、パンクやビード落ちを誘発します。また路面の変化によっていちいち空気圧の調整をするということは、タイヤ交換同様にタイムロスに繋がってしまいます。
そこで坂田さんや松原さんら開発陣が考えたのは、空気圧を大幅に落とさなくても、落としたのと同等の接地面積になるタイヤ。「オフロードを走る場合は、グリップよりもトラクション優先になるため、接地面の形状がより縦長になるのが理想的です。ただ砂地の場合は、あまりトラクションをかけ過ぎてしまうと砂を掘ってスタックしてしまうため、適度にタイヤの幅を確保しつつ、縦長の接地面を作っていく必要があります」と坂田さんは話します。
従来採用していたタイヤで100kPaまで落として実現していた接地面積を、オープンカントリーM/T-Rは、約150kPaで実現しているといいます。空気圧を高く維持できれば、タイヤの耐久性も向上できるというわけです。
この性能を発揮させるために同タイヤは、サイドウオールからショルダーにかけての剛性を、通常よりもアップさせてタワミを少なくしています。さらにトレッドパターンを工夫することにより、接地面が縦長になるよう設計されているのです。