ダカールラリー参戦決定! 過酷なレースにトーヨータイヤがチャレンジする理由【PR】
若手開発者の経験値を上げることも未来へとつながる
モータースポーツは、タイヤメーカーや自動車メーカー、各パーツメーカーにとって、開発や販売戦略上、重要な場所です。ただ、メーカーにとっては、さらに価値があると坂田さんは話します。
「開発者のモチベーションや経験に繋がることは間違いありません。私自身、2005年のニュルブルクリンク24時間レースのメンバーとして参加した経験がありますが、そこには参加した人間だけが感じられる“感情”というものがあるんです」
現在、TLCとのダカールラリー用タイヤ開発には、トーヨータイヤの多数の開発者が携わっています。そのうち2名が国内外のテストに同行、これまで1年間半の開発期間を、TLCのエースドライバーである三浦昂選手をはじめとするチームメンバーと、密接な関係を築いているといいます。
「TLCは、とくにメンバーの絆が非常に強い。テストなどの現場でチームに帯同しているタイヤ開発者2名には、タイヤの開発だけでなく、チームの一員としてメンバーをサポートすることを意識して取り組んでもらっています」。
ダカールラリーには、TLCのために開発された「OPEN COUNTRY M/T-R」が持ち込まれる予定ですが、さまざまな試行錯誤を重ね、完成に至っているといいます。
「コロナ禍の影響があって、実車テスト、特に砂漠での走行テストが計画通り進みませんでした。ただ、10月に開催されたモロッコラリーでは、砂漠での走行や耐久力に関するデータを十分に収集することができました。結果も期待通りで、ダカールラリー本番への期待も高まっています」
坂田さんもダカールラリー本番に行かれるんですか? と聞くと、「いやー、 私は…」と苦笑いしながら、こう続けました。
「チームには、これまでテストに携わってきた2名が帯同しますが、これからは若手にどんどん参加してもらいたいと思っています。私自身、ニュルブルクリンク24時間レースでの経験が、コンペティション用に限らずタイヤ開発に役立っていると感じています。
ですから、若手にもどんどん経験してもらって、これからの開発の糧にしてもらいたいですし、コンペティションならではの感動や情熱、楽しさ、難しさといったものを社内や次世代に引き継いでいってもらいたいと思っています」
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メーカーのモータースポーツ参戦は、決してテストやプロモーションの場だけではなく、企業の人材開発やモチベーションの高揚、次世代の技術向上にも繋がっていくのだということが、TOYO TIRESの挑戦の取材を通して感じることができました。
モロッコラリーで得たデータを精査した後、いよいよチームはダカールラリー本番に向けた最終準備に入ります。
どこまでも海原のように続く砂漠のなかを、日本のトーヨータイヤを履いた日本のランドクルーザーが駆けていく。その姿はきっと、コロナ禍からの回復に向けて動き出した日本に、夢や勇気といったさまざまなものを与えてくれるような気がします。
Writer: 山崎友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。