2年目「NSX GT3」の実力は? 2019年スーパーGT開幕! 大波乱を呼んだ岡山ラウンド【PR】
天候に左右され大波乱を呼んだ岡山ラウンドの結果は?
■決勝レース
4月14日、14時半から開催された決勝レースは、朝から降り続いた雨によってセーフティアー先導のスタートという幕開けに。そしてこの天候が、大波乱を呼んだ一戦となりました。
82周・300kmで争われたレースのスタートを務めたのは道上 龍選手。「♯34 Modulo KENWOOD NSX GT3」は13番手から追い上げを開始します。
セーフティーカーは、3周目の最終コーナーでコースを退き、本格的な闘いがスタート。しかしその翌周に5番手を走っていた「♯25 HOPPY 86 MC」(佐藤公哉選手)がスピンを喫し、後続車両を巻き込んでクラッシュが発生。レースは早々に赤旗中断となり、再びセーフティーカーが導入されました。
レース再開後は、トップを走る「♯55 ARTA NSX GT3」(高木真一選手)と二番手の「♯96 K-tunes RC F GT3」(新田守男選手)が激しい首位争いを展開しましたが、路面状況はさらに悪化して、13周目のモスSコーナーで今度は多重クラッシュが発生。この車輌回収を行うために、再び赤旗中断となります。
30分以上の間隔を開けて15時45分からレースはペースカーが先導して再開。しかしながらこれが解除されたのは19周目でした。
その後も路面状況は回復せず、またもや不幸なアクシデントが起こります。23周目の1コーナーではトップを争う2台のGT500車輌が接触し、1台がコースオフしたことからセーフティーカーを導入。
そしてこの間に多重クラッシュが起こったモスSコーナーで、「♯50 ARNAGE AMG GT3」(山下亮生選手)がまさかのクラッシュを喫して三度目の赤旗中断に。レインタイヤを持ってしても、ハイドロプレーニングが避けられない状況だったのです。
こうした状況からセーフティカーは31周まで先導走行を行いましたが天候は回復せず、状況を考慮したGTAはレースを中断。最終的に全チームの監督が招集され、レース終了の裁定が下されました。
この間、「♯34 Modulo KENWOOD NSX GT3」の順位は9番手まで上がっていました。レースは規定の周回をクリアできなかったことから獲得ポイントは半分となりましたが、マシンを無事にピットを戻しながらドライバーズポイントとしては1ポイントを獲得(ランキング9位)。またチームポイントとしては完走3ポイントを重ねた4ポイントとし、こちらも9位で開幕戦を終えました。
レースを終えた「♯34 Modulo KENWOOD NSX GT3」の両選手は次のようにコメントをしています。
■ドライバー 道上 龍選手
「予選のドライタイヤの状況を考えると、(決勝は)ウェットの方が戦えたかな…とは思います。中断からのスタートだったのでペースは遅かったのですが、マシンのバランスも悪くなく、前に離されることもありませんでした。ただ一番抜きやすいはず状況でライバルとのマシン特性が違い過ぎて、簡単には抜けませんでしたね。
レース的にはクラッシュが起きて、ペースカーが入って、タイヤが冷えて……の繰り返しです。路面状況的にも、いつ足下を救われるかわからないほど厳しい状況でした。
また、次戦までには鈴鹿の(タイヤ)メーカーテストもあるので、さらにマシンのセットアップを進めたいと思います」
■ドライバー 大津弘樹選手
「予選は思うようにタイヤが機能せず、道上選手でも上位進出できなかったのは残念です。ただ今回レースを闘ってみてよかったのは、いまとてもチームが良い状況にあると感じられたことです。
戦略的にも数パターンの用意ができていたりと、引き出しが確実に増えていたので、レースが続いていればもっと順位は上げられたと思います。(走れなかったことは残念だが)ボクは今回ピットにいたので、それがよくわかりました。富士はNSX GT3も得意なコースですし、良い結果が出せると思います。頑張りますので応援よろしくお願いします!」
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次戦は、「NSX GT3」のストレートスピードが活かされる富士スピードウェイ。ここでの活躍が期待されます
【了】
Writer: 山田弘樹(モータージャーナリスト)
自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経てフリーランスに。レース活動の経験を活かし、モータージャーナリストとして執筆中。並行してスーパーGTなどのレースレポートや、ドライビングスクールでの講師も行う。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。