2年目「NSX GT3」の実力は? 2019年スーパーGT開幕! 大波乱を呼んだ岡山ラウンド【PR】

日本最高峰レースであるスーパーGTが岡山国際サーキットで開幕しました。4月25日・26日に開催された様子をレーシングチーム「Modulo Drago CORSE」に話を聞いてみました。

2019年のスーパーGTがスタート!

 2019年シーズンのスーパーGTが遂に開幕。4月13日・14日の2日間にかけて、岡山国際サーキットで第一戦となる「OKAYAMA GT 300KM RACE」が開催されました。

 総勢29台がひしめき合うGT300クラスで、34号車「Modulo KENWOOD NSX GT3」(道上 龍/大津弘樹)の熱い闘いをレポートします。

2019年シーズンのスーパーGT開幕戦「OKAYAMA GT 300KM RACE」決勝での34号車「Modulo KENWOOD NSX GT3」

 スーパーGTは現在、「GT500クラス」と、「GT300クラス」の2クラスが混在するレースとなっています。

 GT500クラスはドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)と70%以上のパーツを共用して作られるメーカー主導のGTマシンであり、現在トヨタ、日産、ホンダの3メーカーが合計15台のマシンをエントリー。さらに今年は共通レギュレーション採用の大きな目的でもあった、DTMとの交流戦が実現する予定となっています。

 GT300クラスは「FIA-GTマシン」と「JAFーGT」、さらに「JAFーGT MC」という3つのカテゴリーが競うレースです。FIA-GTは文字通りFIA(国際自動車連盟)が公認した、自動車メーカーが制作するGTカー。「NSX GT3」は、このカテゴリーに属します。

 対して、「JAFーGT」は全日本GT選手権時代から日本独自の規定で作られたGTカーです。ただし、その制作はベースマシンがありながらもほぼ新規に作られることが多く、コストが高騰した結果現在ではプライベートチームのほとんどが「FIA-GT3」へと移行。

 現在では、メーカーチームであるスバルの「SUBARU BRZ GT300」と、老舗レーシングチームaprが走らせる2台の「TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV」のみとなっています。

 こうした状況を受けGTアソシエーション(GTA)は、レーシングガレージの技術力を維持する目的で「JAF-GT MC」、通称“マザーシャシー”を販売。マシンの母体となるエンジン(GTA V8:自然吸気4.5リッターV8)とトランスミッション、そしてカーボンモノコック等を共通部品とすることで、マシンの開発コスト抑制を狙いました。「TOYOTA86 MC」や「TOYOTA MARK X MC」、「LOTUS EVORA MC」がこれに当たります。

 FIA-GT規格で作られる「NSX」はシーズン中こそマシンの改良はできませんが、シーズンオフから開幕までの間においてはアップデートが認められており、今季新パーツを投入した「NSX GT3 EVO」となりました。

 注目すべきポイントは、2018年シーズンで課題とされたオーバーステアな車輌特性の改善でしょう。新設計のフロントスプリッター、リア・ディフューザー、リアバンパーを装着することで空力バランスを最適化した効果が、実践でどうなるかが見所でした。

 そして、このほかにも夏場の課題となった水温上昇を防ぐべく、冷却システム周りのエアフローを改善。さらに新型ターボチャージャーを装着してスロットルレスポンスの向上と燃費改善を目指しました。また、アンチロックブレーキシステムにはボッシュ社製ユニットを採用しています。

 果たしてその効果は、開幕前に行われた岡山国際サーキットでの公式テスト(セッション3)でも発揮され、「♯34 Modulo KENWOOD NSX GT」3はクラス3番手に(タイムは1分34秒117)。さらに富士の公式テスト(セッション3)ではトップタイム(1分36秒760)を刻み、さい先の良いスタートを切ることができたのです。

2019年スーパーGT 岡山ラウンド「♯34 Modulo KENWOOD NSX GT3」画像で見る(13枚)

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