ホンダ軽バンの新機軸「Nバン」、最大のライバルは「Nボックス」!?
19年間に渡って活躍したホンダ軽商用バンのアクティバンとバモス。その後継車として登場したのが、いま注目を集めている「Nバン」です。スズキのエブリイ、ダイハツのハイゼットという2強がひしめく軽商用バン市場に、新たなる価値観を武器に参入してきました。
登場から大躍進のNバン、その魅力とは
1999年のデビュー以来、実に19年間に渡って活躍したホンダ軽商用バンのアクティバンとバモス。その後継車として登場したのが、いま注目を集めている「Nバン」です。スズキのエブリイ、ダイハツのハイゼットという2強がひしめく軽商用バン市場に、新たなる価値観を武器に参入してきました。
具体的な数値は発表されていませんが、ホンダの広報によれば事前予約だけで、すでに想定の2倍(月販目標は3000台)に達しているということですから、これまでアクティバンやバモスのシェアを考えれば、大躍進と言ってもいいでしょう。
さて、より大きな、そして多くの荷物を積載するという性能のために、これまでの軽商用バンにはいくつかの特徴がありました。まず、車内スペースを広く取るために、キャブオーバーという構造を採用してきました。
エンジンを運転席・助手席の下に置き、エンジンより前に居住空間があるという構造です。トラックなどの商用車では一般的な構造ですが、前面衝突時のリスクが伴い、同時に運転席・助手席の足元が狭くなるというデメリットが。
キャブオーバーと併せて採用されてきた構造が、MR(ミッドシップ・リアドライブ)というパワートレインです。エンジンが前輪車軸よりも後ろに位置し、後輪を駆動させるという駆動形式を言います。これも商用車では一般的ですが、重い荷物を積載している時にタイヤの前進のための力(トラクション)が登り坂などで有効に使えるからです。
また、後輪軸に丈夫な車軸(アクスル)を配するため、耐荷重という点でも優れています。
ところが、新しく登場したNバンはFF(前輪駆動)という、これまでのセオリーを破ったカタチで登場。これには、Nバンならでは“武器”を備えるための理由があります。