これまでの軽バンとは違う「N-VAN」、荷室が短くても仕事クルマとして成功するのか?

N-VANが革新的なのは、エンジンを真下から前方に持ってくることで荷室の形状が変わったこと。荷物車としてはマイナスでも、一方でメリットも大きいとしています。

荷室の長さが短いという懸念はしていた

 ホンダN-VANが革新なのは、エンジンを真下から前方に持ってくることで、荷室の形状がこれまでの軽バンとは変わって幅を確保した上での前後長が短くなったこと。一見マイナスな変更でありながらそれ以外のメリットが大きいとしています。この変更をユーザーはどう評価するのでしょうか。

発表会にて解説する本田技研工業の執行役員である鈴木麻子氏(右)

 その点について本田技研工業の執行役員である鈴木麻子氏は、「アクティバンに比べると、エンジンのレイアウト上、若干荷室の長さが短いというお声もあるかなと懸念はしていました」と話します。

 しかし、販売店からの反応は「それよりも助手席が完全にフラットになり、荷室長を確保できるということで、大部分のお客様には問題なく受け入れられおります」といいます。

 また、本田技術研究所 N-VAN開発責任者の古舘茂氏は開発にあたり、実際にユーザーの声を聞くなかで「バン、貨物車なのでとにかく荷物を積めないといけない。荷物を積むことがまず重要、という声が多かったです。一方で、運転席も商用車ということで、薄いシートだと疲れちゃうとか、実際に運転していると、ちょっとうるさいなあ。もう少し静かにならないかな…、という声も聞かれました」と、荷物優先のクルマから、荷物と人の両方に配慮したクルマにすることを決めたといいます。

従来の荷室長よりも新しい点は、人にも配慮

 これまで、貨物車(バン)というのはどうしても荷物第一であったといいます。それに対して「人」の部分を加えたクルマが「N-VAN」といえそうです。乗用車並みの厚みあるシートを採用したほか、助手席をフラットにし、助手席側からは前後ドアを開いたときに中央に柱がない構造とすることで、これまで2人がかりでクルマまで運んできたものを1人でも積みやすくするなどの価値があるとしています。

自動ブレーキなどホンダセンシングを構成するレーダーセンサーはフロントロアグリルの右側にある

 また、運転のしやすさや静粛性も追求。N-BOXベースのエンジンにCVTや6速マニュアルトランスミッションを組み合わせています。マニュアルトランスミッション車では、これまでの軽バンにはなかった6速とすることで高い速度でのエンジン回転数を落として静粛性を実現する仕様になっているといいます。

 前出の鈴木氏は今回の新型N-VANの開発にあたって意識した点は、「N-BOXをベースとしたクルマであり、安全安心の装備がついてますし、作業性がいいということで、これから(クルマを使った)仕事に挑戦したいなという人たちにも、気軽に入っていただける」とし、「一人一人の生活の可能性を広げる商品になってほしい」と、新しいチャレンジ的な軽バンへ期待を込めていました。

【了】

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