全長4.6m“RAV4”サイズ! 225万円からのトヨタ「bZ3X」が人気! 8月も販売好調…中国で売れる理由

2025年3月6日に中国で発売されたトヨタ bZ3X。予約開始1時間で1万件を受注し話題となりました。2025年8月に7324台販売し、3か月連続で記録更新しています。

トヨタ中国専売BEV「bZ3X」、2025年8月に7324台販売 3か月連続で記録更新

 トヨタが中国向けに展開しているBEV「bZ3X」は2025年8月に7324台を販売しました。

 発売後も注目を集めているbZ3Xですが、いったいどのようなクルマなのでしょうか。

トヨタ中国専売BEV「bZ3X」、2025年8月に7324台販売 3か月連続で記録更新
トヨタ中国専売BEV「bZ3X」、2025年8月に7324台販売 3か月連続で記録更新

 トヨタの「bZ3X」は2025年3月に中国で発売された純電動のSUVです。

 2023年に発表された「bZ FlexSpace Concept」をベースとしており、北京モーターショー2024にて正式に量産モデル「bZ3X」を発表。

 製造と販売は広州汽車との合弁会社「広汽トヨタ」が担当しています。

 ボディは全長4600 mm x 全幅1850 mm x 全高1660 mm、ホイールベース2765 mmと、RAV4と同等のサイズ感です。ニデック(旧・日本電産)製の最高出力201 hp/最大トルク200 Nmモーターをフロントに1基配置する前輪駆動で、四輪駆動の設定はありません。

 グレードは「430 Air」「520 Pro」「610 Max」の3種類で構成、それぞれのバッテリー容量は50.03 kWh、58.37 kWh、67.92 kWhとなり、一回の満充電で430 km、520 km、610 km(CTLCモード)を走れるとしています。

 エクステリアはオーソドックスなSUV形状を採用しており、クーペSUVが多い中国市場の中では保守的な印象を感じさせます。

 ルーフ最後端も角張っており、小さめなサイズながらもしっかりとした存在感を演出していることがわかります。

 一方でコックピット周りは中国の最新トレンドを反映し、中央に14.6インチディスプレイを配置、センターコンソールには携帯端末の無線充電パッドやカップホルダー、収納ボックスを有します。

 また、物理ボタンはパワーウィンドウの操作やハンドル盤面上の簡素なスイッチ程度にとどまり、メディアやナビ、エアコンの操作はすべてタッチディスプレイ、または音声操作で行ないます。

 最上位グレード「610 Max」では電動格納リアゲートやメモリー機能付きパワーシート、後席用テーブル&カップホルダー、ヤマハ製11スピーカーシステムといった豪華装備を揃えています。

 ファミリー層を想定していることもあり、広々とした空間と控えめな動力性能を合わせたパッケージングが特徴的です。

 bZ3Xは2025年3月6日に中国で発売されましたが、予約開始1時間で1万件を受注するほどの人気を見せ、予約サイトも一時的にアクセス不能となりました。

 3月16日のデリバリー開始以降は順調に台数が右肩上がりを見せており、2025年8月には7324台を販売、5月の4344台、6月の6030台、そして7月の6834台に続いて3か月連続の記録更新となりました。

 これまでの累計は約3万5000台となり、トヨタのみならず、外資合弁系メーカーのBEVとして見ても異例の大ヒットです。

 bZ3Xの人気の裏には圧倒的なコストパフォーマンスが要因のひとつとして挙げられます。

 メーカー希望小売価格は10.98-15.98万元(約225.7-328.5万円)と、日本メーカーのBEVではかつてないほど安い値段です。

 この安さで中国のトレンドを反映させたインテリアや、自動運転ベンチャー「momenta」と共同開発した高度な運転支援機能、そしてトヨタ特有のバッテリーと車体に対する安全設計をすべて盛り込んでいます。

 2025年8月末にはbZ3X初のオーナーズミーティングを開催、今後のソフトウェアアップデートに加え、バッテリー発火と自動駐車機能使用時の事故に対する補償も発表しました。

 特に後者では昨今の中国でバッテリー発火事故の発生が少なくなく、BEVに対する不安を払拭させるための策として講じられたものです。

 対象は2025年12月31日までにbZ3Xを新車で購入したオーナーに限り、バッテリーやモーター周辺を起因とする発火事故が発生、中央政府が認める廃車基準に達した場合に、同じグレードと装備の新車を1台贈呈するというものです。

 また、自動駐車機能に関しても対象範囲は同じで、機能使用時に物損事故が発生した場合、自車と相手方両方の修理費用を広汽トヨタが全額負担するとしています。

 このような補償プログラムを発表することで、BEVや運転支援機能そのものに対する信頼性を向上するとともに、トヨタ自体の高い技術力も証明する形となります。

 トヨタのbZ3X以外に、日産が2025年4月に発売したBEV「N7」も同じく中国で大人気です。

 2025年8月には1万148台を販売、初めて月間販売台数1万台を突破しました。

 合弁系メーカーのEV販売台数ランキングにおいてはbZ3Xとともにワンツーを独占しており、現地パートナーとの協業によって誕生した新たなEVたちが日本メーカー再興のチャンスをもたらしている状況です。

【画像】欲しい! 約225万円のトヨタ「新型SUV」を画像で見る(30枚以上)

参加無料!Amazonギフト券贈呈 自動車DXサミット BYD登壇 最新事例を紹介(外部リンク)

画像ギャラリー

Writer: 中国車研究家 加藤ヒロト

下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。

実績500万人超!お得に車売却(外部リンク)

新車不足で人気沸騰!欲しい車を中古車で探す

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る

【2025年最新】自動車保険満足度ランキング

最新記事

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー