キャデラックの「“デカすぎ”SUV」エスカレード実際どう!? 意外とスポーティー? 気になる乗り心地は? アメリカンドリームな新「フラッグシップ」どんなクルマなのか【試乗記】
キャデラックと言えばアメリカンドリームの象徴とされており、アメリカのセレブリティに愛されるブランドです。そのキャデラックのフラッグシップモデル「エスカレード」はどのようなモデルなのでしょうか。西川昇吾氏がレポートします。
やっぱりデカイ! アメリカンドリームなキャデラック「エスカレード」実際どう?
キャデラックと言えばアメリカンドリームの象徴とされており、アメリカのセレブリティに愛されるブランドです。
そのキャデラックのフラッグシップモデル「エスカレード」は全長5.4mのボディに6.2Lのエンジンを搭載する、正にアメリカンサイズな1台。そんなモデルを日本の公道で乗ってみるとどんな印象を受けるのでしょうか。

現行モデルで5代目となるエスカレードは、2025年5月15日にマイナーチェンジを受けて進化しました。
エクステリアデザインの変更やオプション設定された24インチのホイールなど、変更を受けた部分はいくつかありますが、最大のポイントはインテリアです。ドアを開けるとインパネを覆いつくすように湾曲したディスプレイがお出迎えしてくれます。
このディスプレイは55インチもあり、ウッドパネルとの組み合わせは先進的なアメリカのテックな印象と伝統的な高級車の印象を上手いバランスで融合させ、上品な雰囲気を演出しています。
また、ディスプレイがインパネ全体に伸びていることで、広い車内をより広く感じさせる効果も出ていると思いました。これほど車内空間の横幅が広いと感じるモデルはそう多くはないでしょう。
ちなみに広々とした室内空間と6.2リッターのV型8気筒エンジンを納めているエスカレードのボディサイズは全長5400mm×全幅2065mm×全高1930mmで車重は2730kgとなっています。都心部では駐車場を探すのに一苦労しそうなサイズと重量です。
大きさに圧倒されながら試乗を開始、まずは街中を中心に走行してみました。街中ではやっぱりクルマが大きい…そのような感覚を超えて「あれ?道路ってこんなに小さかった?」という不思議な感覚を覚えました。
いつもの感覚で車体を車線中央に走らせていると思い、ドアミラーを確認してみると車線ギリギリを走行しているようです。ワイドな全幅を意識して走行する必要があります。
気になる乗り味はというと、街中では路面のギャップからくる振動が、もう少し早く収まってほしいと感じます。ユサユサと揺れている時間が長い印象です。
しかし、パワートレインは光る性能を見せてくれました。基本的に1500rpm前後の回転数に落ち着いていて、低回転域でも十分なトルクを見せてくれます。それに加え静粛性も高く「アメリカンV8」でイメージされるような、荒々しい雰囲気とは無縁の乗り味です。
10速ある多段なATもシームレスな変速を見せてくれて、パワートレインはショーファーカーに相応しい仕上がりとなっています。
高速道路に入り、速度域が高くなると乗り心地は好印象になっていきます。高い速度域ならば波打った路面でも、程よい早さで振動が収まってくれて快適な乗り心地へと変化しました。コンフォート性能の高さを享受できるのは、ある程度車速の乗ったシチュエーションだと言えます。
そして、今回の試乗で一番衝撃を受けたのがワインディングでした。2.7トンという重量、大きなボディサイズ、これらの要素を考えればワインディングでは不満を感じるだろうと思っていましたが、その予想は裏切られました。
ワインディングに入り、スポーツモードを選んで走り始めると、ドライバーの意思に応えてくれて気持ちいい走りを楽しむことが出来たのです。
ロールは程よく抑えられていて、コーナー進入時も不安感を覚えることは少なく、多段なトランスミッションとトルクフルな大排気量エンジンのおかげで、トルクバンドを外すことがなくストレスフリーでワインディングを走ることが出来ました。ステアリングも剛性感があって、フロントタイヤからのインフォメーションを得やすいフィーリング。クルマとの対話が楽しめることを発見できた時間となりました。
確かにボディサイズは大きいエスカレードですが、実際に乗ってみると洗練された乗り心地やパワートレイン、インテリアの質感などはショーファーカーに相応しい仕上がりでした。ボディサイズさえ気にしなければ他と違うショーファーカーが欲しい人にも勧められる選択肢と言えます。
Writer: 西川昇吾
1997年生まれ、日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。大学時代から自動車ライターとしての活動をスタートさせる。現在は新車情報のほか、自動車に関するアイテムや文化、新技術や新サービスの記事執筆も手掛ける。また自身でのモータースポーツ活動もしており、その経験を基にした車両評価も行う。

















































