ダメと言われる「内掛けハンドル」運転 実はいけない訳でもない?

内掛けハンドル、どんな弊害が?

 田中さんによると、内掛けハンドルはもともと、パワーステアリングがなかった時代に、力をかけて重いハンドルを切るための動作だったといいます。

パワステがなかったころは、力の入りやすい「10時10分」がベストとされていたが、現在は「9時15分から10時10分のあいだ」と教える指定教習所もある。

「ロープをたぐり寄せるような動作から、『たぐりハンドル』などともいいます。いまでもトラックやバスなどの大きなハンドルでは、内掛けのほうが力が入って回しやすいケースもあるでしょう」(田中さん)

 確かに、ドライバーの体格などもありますので、「順手」の動作がすべてに対応できるかといったら、そうとも言い切れないのかもしれません。

 では、内掛けハンドルでどのような弊害があると考えられるでしょうか。「よく見るのは、ハンドル操作に力が入り、グラっとなってしまうことによるハンドルのふらつきなどでしょう。そのような運転がスタイルになってしまっている人もいます」(田中さん)とのこと。ただそれは、対向車や歩行者ばかりを追って、先の目標をとらえずに曲がったときにも起こりやすいといいます。

 ちなみに、教習所では交差点などにおけるハンドル操作の方法として、クロスハンドル(一定まで回して片手を離し、両手を交差してハンドルを持ち直す方法)を習いますが、田中さんによると、送りハンドル(両手を交差することなく、ハンドルの上下をいったりきたりしながら曲がる方法)を基本としたほうがいいというプロのレーサーもいるといいます。

 ハンドル操作には様々な意見があるようです。

【了】

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