運転手付のクルマはなぜ「黒」が多い?「黒は汚れが目立つ」はお話にもならない訳

「汚れが目立つ」はそもそも気にもしない

 東京トヨペットは黒が選ばれる理由として、「紺や他の色と比べて、格式が高いイメージがあり、どんなシチュエーションにも合うためでしょう」といいます。

 日本交通も、なぜ黒色が望まれるのか詳しくはわからないとしつつも、「冠婚葬祭やフォーマルな場面でも使いやすい色なのではないかと考えられます。ハイヤーは格式が求められる場面で使われることが多いので、ハイヤーに高級感やステータスを求めるお客様もいらっしゃるのではないでしょうか」とのことです。

トヨタ「センチュリー」は日本交通のハイヤー車両のなかでも最高級(画像:日本交通)

 汚れが目立ちやすいことについて東京トヨペットは、「運転手付きのクルマは、その大半が毎日洗車することから、黒が汚れやすくても気にされないことが多いです」といいます。東京ハイヤー・タクシー協会によると、「ハイヤーの場合は、毎日の洗車・清掃によってピカピカであることが『当たり前』」だそうです。

 日本交通では、「ハイヤーもタクシーも毎日洗車してきれいな状態を保つように取り組んでいますが、ハイヤー車両の場合、日々の水洗い、ワックスがけを遂行しており、洗車機の使用や乾拭きは、車体に傷がつくため行っておりません」とのこと。ハイヤー車両の場合、日本交通では4か月に1度、清掃状態をチェックする「愛車デー」を実施し、車両の内外はもちろんエンジンルーム内まで全職員で確認し、きれいな状態を保つよう取り組んでいるといいます。

 ハイヤーの場合、さまざまな場面に合う色として黒が選択され、車両の美観を保つことまでがサービスの一環なのかもしれません。

【了】

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