ドゥカティ「スーパースポーツS」 誰が乗っても最高に楽しい1台
ドゥカティは、1990年代にシェア拡大に貢献したモデル「SS」を新生スーパースポーツとして復活させました。全ドゥカティのいいとこ取りをした「SS」は、究極のオールラウンダーとして生まれ変わりました。
扱いやすく多様性を持ったオールラウンドモデル
1990年代を中心に、ドゥカティのシェア拡大に大きく貢献したモデルがありました。それが通称SS(エスエス)と呼ばれた「スーパースポーツ」シリーズです。2006年に一度生産を終えたものの、その名前が2017年に復活。まったく新しいスタイルと機能を身に着けて登場したモデルが、この新生スーパースポーツなのです。
ところで、今スーパースポーツと言えば、一般的にはレース上等のハイスペックモデルのことを指します。ドゥカティならパニガーレ、ヤマハならYZF-R1といった200ps級のマシンがそれに当たりますが、ここからはそれとの混同を避けるために「SS」と記していくことにします。
そもそも、なぜこのタイミングでSSがよみがえったのか? その事情をドゥカティジャパンのPR&マーケティングダイレクター五条秀巳さんに聞いてみました。
「近年のドゥカティには様々なキャラクターのモデルがあります。速さを突き詰めたパニガーレ、冒険の旅を可能にするムルティストラーダ、大型クルーザーにはディアベル、我々がポスト・ヘリテイジと呼ぶクラシックスタイルにはスクランブラー・・・・・・といった具合に実に幅広いカテゴリーをフォローし、それぞれ得意分野を持っています。そんな中、今のドゥカティに足りないものがあるとすればなにか?それを真剣に検討していった結果、このSSのスタイルに辿り着いたのです」
つまり、なにかに特化しているということは決定的に苦手な部分があることを意味します。現在のドゥカティは良くも悪くもそういうキャラが立っていて、スタンダードと呼べるのはモンスターくらいでしょうか。とはいえ、そのモンスターもネイキッドゆえ、高速巡航時の快適性は優れているとは言えません。
そこでドゥカティの開発陣はこう考えました。「ストリートで扱いやすく、ロングランも快適で、ドゥカティらしいスポーツ性とスタイリッシュなデザインを併せ持つ、そんな多様性に富んだモデルを作るべきじゃないか」と。かつてのSSはそれに近い性能を持っていたため、意見が一致。言わば、全ドゥカティのイイトコ取りをした究極のオールラウンダーとして送り出されたのです。