ランクル、サーフ時代のRVブーム再来? 今年はSUV当たり年、RAV4、ジムニーなど続々登場
かつての思い出が今のSUVブームを牽引?
ミニバン市場から撤退してSUVにラインナップを変えるという大英断を行い、2017年12月に発表した「CX-8」も絶好調なマツダ。
「CX-8」の購買層を広報部に聞いたところ、「かつてのRVブーム&アウトドアブームで楽しい思い出を作った人々が、いまSUVを購入しているという実感はあります。その表れとして、『CX-8』の購買層は過去のブームを牽引していた50代、60代に加えて、そのジュニアである20代、30代が非常に多くなっています」といいます。
とはいえ、SUVユーザーのすべてがアウトドア好きとは限りません。SUV好調は、別の要因も考えられると、前出のマツダ広報部は言います。「それはミニバンからの乗り換えです。ミニバンは現在も好調なカテゴリーですが、特に若い人の中にはスタイリングが好みではないという人が多くいます。そういう方が3列シートの『CX-8』を積極的に選んでいただいているようです」
昨年、SUVの4WD部門で販売台数No.1を記録したのが、「日産 エクストレイル」。日産広報部に話を聞くと、「弊社ではセレナなどのミニバンは相変わらず好調ですが、より高い走行性能やスタイリッシュなデザインを好む方もいらっしゃいます。そういうユーザーが『エクストレイル』などのSUVを選んでいただいているのではないでしょうか」と語ってくれました。
そして昨年もっとも売れたSUVはトヨタ「C-HR」。2017年度の販売台数は11万7299台でしたが、その内の9万6680台はハイブリッド車だったという結果が出ています。これについて、都内に拠点を置くトヨタカローラ東京の営業企画部は、このように分析しています。
「『C-HR』はライバルの『ホンダ・ヴェゼル』と比べると、お客様の年齢層が高い傾向にあります。それは価格が高いためですが、それでも売れているのが上位グレードのハイブリッド車。実は『C-HR』の最大の競合車は『ヴェゼル』ではなく、プリウスなのです。プリウスのデザインや居住性に満足できないお客様が、『C-HR』のハイブリッドを選んでいただいていると感じています」
様々な要因があって成長し続けるSUV市場ですが、今年はさらにトピックが多くあります。すでに北米でデビューしている「トヨタ RAV4」や「ホンダ CR-V」、「レクサス UX」といった話題のクロスオーバーSUVが日本でデビューする予定になっているほか、コンパクトSUVの「スズキ・ジムニー」や「三菱 パジェロミニ」が久しぶりにモデルチェンジを行います。今年はSUVの当たり年、ますます目が離せなくなりそうです。
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Writer: 山崎友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。