全長3.4mのレクサス「ほぼ“軽自動車”」な斬新モデルがすごかった! 丁度いい「5ナンバー」だけど「完全にレクサス車」な豪華インテリア採用! 4人乗れる「LF-SA」とは

高級ブランドとして強い支持を受けるレクサスですが、過去には軽自動車サイズのモデルを披露していたのです。

「軽サイズ」のレクサスあった!

 1989年に誕生した高級ブランド「レクサス」は、2005年に日本で展開するとたちまち人気を獲得。現在も、あこがれの高級モデルとして国産ブランドの頂点に君臨します。

 そんなレクサスですが、かつてはほぼ「軽自動車サイズ」のモデルを提案していたのはあまり知られていません。

超小型のレクサス「LF-SA」(コンセプトカー)
超小型のレクサス「LF-SA」(コンセプトカー)

 それが、2015年のスイス「ジュネーブモーターショー」でワールドプレミアされた「LF-SA」です。

「LF-SA」の名称は、「Lexus Future Small Adventurer(レクサスの未来の小さな冒険者)」を意味し、未来の生活スタイルにおいても運転の歓びを追求する精神をその名に込めたものだといいます。

 企画段階からモデル製作までは、フランス・ニースに拠点を置くトヨタのデザイン拠点「ED2(EDスクエア)」が担当しました。

 最大の特徴はボディサイズです。具体的には全長3450mm×全幅1700mm×全高1430mmと、若干ワイドな車幅を持つものの、小型車(5ナンバー)に入る程度で、全長は軽自動車サイズ。レクサスはこのサイズを「ウルトラコンパクトクラス」と称しています。

 欧州の「Aセグメント」クラスに分類されるモデルで、通常のAセグメントモデルが廉価な価格のエントリーモデルに位置しているのに対し、LF-SAはレクサスらしいラグジュアリーな世界観を損なうことなく、「小さな高級車」に仕立てられていました。

 エクステリアは彫りの深いボディの造形を追求し、見る角度によって刻々と表情が変化して見えるデザインを採用。のちに本採用された「スピンドルグリル」はグリルからボディ全体への広がりをもたらし、極めてコンパクトながらも際立った存在感を示します。

 インテリアはドライバー中心としてドライビングを楽しめる空間にまとめ、包みこまれる上質な雰囲気と広い室内を両立するラウンド形状のインパネを採用。レクサスの上級車種にもひけを取らない、プレミアムな空間になっています。

 運転席の調整はボディサイズの制約から不可能ですが、ステアリングホイールとペダルを調整可能にし、ドライビングポジションを確保できるようになっています。

 対して助手席はスライドが可能。これはミニマムではあるもののリアシートがしっかり設けられており、実用性に配慮がなされています。

 パワートレインは非公表でしたが、街乗り向けモデルということで、小排気量エンジンまたはEVを想定しているのではないかという見方もありました。

 公開当時、レクサスの最小モデルといえば全長4.3mを超えるサイズの5ドアハッチバック「CT」があったのみで、レクサスの世界観を凝縮したさらにコンパクトなモデルの登場を求める声もありました。

 そんななかで登場したLF-SAは、奇抜なデザインではあったものの、ニーズに合致する新モデルとして市販化に大いに期待が高まったのです。

 しかし残念ながら、公開から10年が経過した現在に至るまで市販モデルは登場していません。

 いっぽう、今では「レクサスの新たな最小モデル」としてコンパクトSUV「LBX」が登場。新たなレクサスのコアモデルとして販売は非常に好調です。

 これは、レクサスであっても小さなモデルが必要だということを示しており、当時のLF-SAの発想は大正解だったことがわかります。

 LF-SAに関する続報はありませんが、もし今後登場すれば、再び大きな話題になるのは間違いないでしょう。

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Writer: くるまのニュース編集部

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