新東名、最高速110km/h区間の試行から半年、事故や違反は増えた?減った?
大型トラックは110km/h対象外で80km/hのまま
2017年11月から最高速度が110km/hに引き上げられたのは、大型バス、中型貨物(一部)、普通自動車、オートバイのみ。大型トラック(総重量8トンまたは最大積載量5トン超)は以前と同様に80km/hに規制されています。
80km/hと110km/hでは30km/hというかなり大きな速度差があり、この区間では大型トラックなどは一番左の路肩側の車線を走らなければならなりません。
現在の大型トラックには90km/hのリミッターが装着されているため、それ以上のスピードは物理的に出すことができない仕組みになっています。しかし、実際には大型トラックも追い越し車線に出て走っている状況も多いようです。
そのため110km/hで爽快に走っていても、すぐに大型トラックの列に追いついてしまうこともあり、新東名新静岡IC~森掛川ICの50kmという区間であっても、110km/hで巡行できる区間は、時と場合によってわずかな区間となってしまっているようです。
最高速度120km/hになる日はやってくる?
法定速度110km/hは2017年11月から1年間限定で行われる「試行」です。この期間に、交通事故や交通違反の発生件数、交通量など、様々な調査を行い、国の議論を受け、安全性を調査します。
警察庁では、設計速度120km/hの高規格高速道路において「一定の条件が整えば最高速度を120km/hに引き上げる」方針を示していますが、実現するかは今のところ未定とのことです。
新東名高速道路のほとんどの箇所では最高速度120km/h(一部140km/h)で走っても問題ない、ということで設計されています。設計速度が高ければ高いほど、道路の設計や設置には費用がかさむ(=税金が多く投入される)ので、1年間の試行で安全性が確認されれば、ぜひ、120km/hに引き上げて欲しいところです。
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Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。