広がる交通手段格差 首都圏は”クルマ離れ”、地方ではクルマ利用率95%超
最近は、クルマを所有するのではなく、レンタカーやカーシェアリングといったカタチでクルマを利用する人も増えているようですが実際はどうなのでしょうか。
クルマが必要な地域格差が顕著に
株式会社プラネットが2018年5月10日、同社が行ったクルマに関する意識調査(回答数3683人)の結果を発表しました。
最近は、クルマを所有するのではなく、レンタカーやカーシェアリングといったカタチでクルマを利用する人も増えているようですが実際はどうなのでしょうか。
まずはクルマの利用スタイルについて聞いたところ、最も多かったのは「自分のクルマを利用している」53.1%、次いで「家族のクルマを利用している」21.2%という結果です。やはり、自分もしくは家族が所有する「マイカー」を利用している人が主流のようです。
利用者が増えたといわれるレンタカーやカーシェアリングでは、「レンタカーを利用している」は4.0%、「カーシェアリングを利用している」は1.3%と1ケタ台。実際の利用者はまだ少数派のようです。
都道府県別に見てみると、移動手段の地域格差が顕著でした。
「自分のクルマを利用している」は、「東京都」「京都府」「大阪府」などの首都圏で低く、特に「東京都」では34.9%と最低値。「東京都」では「クルマを利用していない」が46.4%と半数に迫っています。都市部では公共交通機関が発達し、クルマがなくても移動に不便がないことがわかります。
「クルマを利用していない」から逆算したクルマを「利用している」率に注目すると、「福島県」「石川県」「三重県」などでは95%を超えていました。「利用している」率が53.6%の「東京都」と比べ、クルマが必須であることがわかり、移動手段の地域格差の広がりがうかがえます。
クルマに求めるものは何か?
クルマ自体に求めるものを聞いてみると、1位は「燃費のよさ・環境への配慮(ハイブリッドカー、電気式自動クルマなど)」44.5%、2位は「安全性(衝突防止機能など)」38.0%、3位は「生活スタイルに合っているかどうか(ミニバン、SUV、スポーツタイプなど)」37.0%、4位は「走行性能(加速、安定感)」34.3%、5位「クルマ内の快適さ」28.1%となっています。
男女差に注目すると、最も差が大きかったのは「小回りのよさ」で、女性が男性を9.5ポイント上回りました。次いで差が大きかったのが「走行性能」。男性のほうが8.0ポイント高くなっていました。
男性はクルマ本来の「走り」の良さを求め、女性は身近な生活シーンでの運転しやすさや機能性を重視している様子がうかがえる、対照的な結果となっています。
「マイカー」を持っていてよかったこと、困ったことを聞いたところ、時間や場所を選ばないので行動範囲が広がること、家族で外出できることや緊急時のエピソードが多数。とりわけ子供や高齢者のいる家庭ではクルマは必需品のようです。「クルマ自体が好き」「所有する喜びは何にも代えがたい」という声も男性を中心に高いようです。
一方、「維持費が高い」「交通渋滞」など、クルマで困る部分は誰でも共通した悩みのようです。
【了】