マツダが6年連続増産、プレミアム戦略が成功した理由とは?

マツダの目指す「新しいマツダプレミアム」は「選んでもらう価値」

―――ブランド価値を作り出す、マツダならではの特徴とはなんでしょうか?

「企画、開発、生産が一体となったクルマ作りをできるのがマツダならではの特徴です。広島に集中し、絞り込まれた商品、様々なこだわりの技術がこれを可能にしています。この背景にはフォード時代にさかのぼり、2002年から『Zoom-Zoom』で出直し発売した『アテンザ』から始まり、それがルーツとなっているのです」

Mazda6 ワゴン 商品改良 エクステリア (欧州仕様車、日本名:アテンザ)

―――上村さんが考える「マツダプレミアム」とはどういったものでしょうか?

「マツダの目指す『新しいマツダプレミアム』は、欧州の貴族社会の価値観に根幹をなす、高級戦略とは異なります。マツダ独自の価値に共感されたお客様との強い絆に結ばれた関係において、『選んでいただける価値』に対価をいただける正価販売、ということになります」

―――今後の販売やマーケティングについてどうお考えですか?

「これからは大きく販売台数が伸びる時代ではなく、カーシェアなどの時代を迎え、むしろ厳しくなる時代だと思います。今、マツダ車にお乗りいただいているお客様に長く乗っていただく、また次もマツダを選んでいただくことが重要だと考えます。

 販売、サービスは基本ですが、買ってからも自分のクルマの価値が向上するような『価値成長デザイン』(慶応義塾大学と共同研究中)があります。その一つが『走る歓び』の体験機会の提供です。その一環でマツダドライビングアカデミーや、参加型モータースポーツの協賛に力を入れており、スーパー耐久レースはその頂点に位置します」

スーパー耐久レース TEAM NOPRO DXLアラゴスタNOPROアクセラSKY-D

 これからのマツダについて「今後出てくる『SKYACTIV-X』は正念場です。またロータリーの復活も夢の一つ」とも語っていただいた上村氏。全てにおいて「走る歓び」が貫かれ、ユーザーが欲しいと思えるクルマ作り、これこそが「マツダプレミアム」であり、今のマツダの躍進につながっているのだと感じました。

【了】

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