ドアに「穴が…」 最新「車両盗難」の手口が斬新過ぎ! 主流は「GAME BOY/CANインベーダー」だが… 最近増えている盗難方法…と対策は?

最新の「40系アルファード」も新型CANインベーダーで突破される?

 ランクル250、300、LXでは新型CANインベーダーによる盗難、または盗難未遂が起こっていますが、それでは40系アルファードはどうでしょうか。

 SNSや盗難情報の投稿を調べたところ、40系+新型CANインベーダーによる盗難未遂は現在のところ見つけられませんでした。

 その理由について前出の自動車盗難防止協会に聞いてみました。

「40アルファード、レクサスLMはドアの中の配線取り回しがランクルやLXと異なっており、外部からドアに穴を開けて侵入しようとしても、さらにもう一枚鉄板があります。

 ECUの配線までアクセスするにはかなり困難な構造になっていることを確認済みです。

 しかし、ランクルでもリアゲートに穴を開けてアクセスできるように、40系アルファードもドア以外にアクセスポイントがある可能性があります。

 現在、新型CANインベーダーがアクセスできるドア以外の場所を調査中です」

上:20系に張り替えられた30系の車台番号/下:40系の車台番号刻印場所は30系は違うことがわかる(画像提供:筆者)
上:20系に張り替えられた30系の車台番号/下:40系の車台番号刻印場所は30系は違うことがわかる(画像提供:筆者)

 アルファードは2023年には700台が盗まれて警察庁発表の車名別盗難認知件数の1位となりました。

 多くが30系アルファード+CANインベーダーで盗んだあとは、20系など低価格の古いモデルや30系の大破車両から車台番号を移植し、盗難車であることがわからないよう細工をした「目玉抜き車両」として国内外で流通していたとみられます。

 では、40系アルファードで「目玉抜き」はできるのでしょうか。

 実は40系アルファードは20系や30系から切り取った車台番号を張り替えることは不可能です。

 刻印の場所も形も違うことが理由。さらに、40系アルファードは「OBD検査」(※令和3年10月1日以降の新型車を対象として、令和6年10月1日以降の車検において実施)の対象となるため検査時に診断機をあてることで本来の車台番号が即判明します。

 つまり、そこで車台番号を張り替えたことがその場で明らかになるということです。

 新旧CANインベーダーや目玉抜きについては防御能力が高いと言える40系ですが、GAME BOYなどのキーエミュレータでは盗まれる可能性が大です。

 GAME BOY対策が可能な社外セキュリティや物理ロックの併用を強くお勧めします。

 これらのセキュリティはもちろん、ランクル250や300が新型CANインベーダーで盗まれることからも確実に守ってくれるでしょう。

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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