愛車の「ナンバー」「ホイール」が盗まれた!? 「クルマ本体丸ごと」ではなく“パーツ盗難被害”も多数存在… 「犯罪組織」の活動源になることも! 有効な予防法はあるのか
現在もなおクルマ本体の盗難がなくならないなか、実はホイールやナンバープレートも盗まれるといいます。どういうことなのでしょうか。
ナンバーは追跡撹乱&不正利用 ホイールは金儲け手段
クルマを所有するうえで怖いことのひとつが「盗難」です。
しかし、クルマ本体丸ごとではなく、ナンバープレートやホイールが盗まれるケースがあるようです。どういうことなのでしょうか。また、どうやって防げばいいのでしょうか。

人気が高いモデルはもちろんのこと、いつどこでターゲットになるかもしれない盗難の被害。
警察庁が発表した「犯罪統計」によると、2024年の1年間で発生した自動車盗難(認知件数)は6080件。1日あたり約16台がどこかで盗まれている計算になります。
しかし実は、盗まれるのはクルマ本体だけではありません。
茨城県警の公式サイトでは、クルマ以外にもナンバープレートやホイール、エンブレムなどの「部品ねらい」、あるいはクルマに積んでいる貴重品を狙う「車上荒らし」の被害にあう可能性もあるといい、実際に1日あたり約2件の被害があるといいます。
特にナンバープレートは、盗難車を持ち去るときに別のクルマのナンバープレートに付け替えて、追跡をできなくさせます。また、もともと付いていたナンバープレートを悪用し、別の犯罪で使われるリスクもあります。
ホイールも希少車種の純正品やブランド品はとても高価なので、盗んで売りに出されることがあります。それが、結果として犯罪組織の資金源になります。
そのため、クルマユーザーではできる対策を講じることが大切です。
そのひとつが盗難対策アイテムの装着です。
なかでもナンバーのロックボルトやホイールのロックナットはディーラーオプションとして販売されていたり、ネット通販でも手軽に購入できます。
自宅の鍵と同じように、ロックナットとロックボルトの形状が合致しないと取り付けや取り外しができません。
それゆえ、とてもシンプルながら盗難対策の効果が期待できるアイテムだといえるのです。
これが、本格的なセキュリティシステムをインストールするとなると、数十万円単位の出費となってしまいますが、ナンバーのボルトやホイールのロックナットであれば、それぞれ数千円で購入することが可能です。
特にナンバー用のロックナットであれば、DIYでドライバー1本あれば交換作業ができますし、手軽にできる盗難対策といえます。
逆にいえば、普通のナンバープレートボルトはそれだけ簡単に盗難できてしまうということなのです。
また、クルマを買い替えたとしても、ナンバー用のロックナットは使い回しができるため、かなり長期間にわたって使用することができます。
価格の安さや交換のしやすさなど、交換しておいて損はない盗難対策アイテムのひとつといえるでしょう。
ただし、字光式ナンバープレートを装着しているクルマは適合しない場合があるので注意が必要です。
ホイール用のロックナットは、基本的にはナンバー用のロックナットと機能は同じです。ボルト側とロック側のパターンが合致しないと外すことはできません。
駐車場に行ってみたら、自分の愛車のタイヤ&ホイールがなく、車体がブロック塀に載せられて呆然とした…といった悲劇が全国各地で起こっています。
別のタイヤとホイールを装着し、なおかつブロック塀を撤去して車体を地面に降ろさないことには動かすこともできません。
無造作にブロック塀に載せられた愛車へのダメージを考えると、なんともいたたまれない気持ちにさせられます。
そういった悲劇から守ってくれるのがホイール用のロックナットというわけです。
4個セットで、ホイール1本あたりにナットを1つ装着するイメージです。全部をロックナットにする必要はありません。
交換にはひと手間掛かりますが、自力でタイヤ交換をできる人であれば難易度の高い作業ではありません。
自力での作業に自信がない人であれば、車検や法定点検などでタイヤ&ホイールを着脱する際に交換してもらえないか、整備工場に相談してみるといいでしょう。
また、ロックボルトの紛失など、いざというときに困らないように気をつけてください。
ナンバーのボルトやホイールのロックナットに交換したからといって100%盗難を防げるわけではありませんが、リスクは確実に下がっています。
海外での人気車種を中心に盗難被害が減らない中、「迷ったら買い」のカー用品であることは確かです。
Writer: 松村透
株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。