2025年2月、トヨタは「カローラアクシオ／カローラフィールダー」を10月で終売することを正式にアナウンスしました。
　
　2019年に現行型の「カローラ」が登場し、旧型となってからも併売されていたモデルでしたが、いよいよ姿を消すこととなりました。

　もともとはトヨタのベーシックカーとして長らく愛されてきたカローラでしたが、現行型はついに3ナンバーボディ化がなされました。

　いっぽう、これまで通り全幅1.7mを切る5ナンバーサイズを求めるユーザーや、過剰な装備などは不要で安価なモデルを求めるユーザーのためにカローラアクシオ／フィールダーが併売されていたのです。

　パワートレインは1.5リッターのガソリンとハイブリッドが用意され、ガソリンモデルには3ペダルMTも用意されていましたが、これはスポーツ走行を楽しむためというよりは、MT車ばかりを乗り継いできた年輩のユーザーに配慮したもの。

　また、価格（消費税込）もカローラアクシオで163万9600円から220万5600円、カローラフィールダーが178万6400円から235万9000円。

　アクシオが約40万円、フィールダーが約30万円ほど現行型（カローラセダン／カローラツーリング）よりも安価となっていながらも、運転支援システムなどはアップデートされているため、安心感が高いというのも特徴となっています。

　このような特徴を持っていたカローラアクシオ／フィールダーですが、実は最も支持を集めていたのが一般ユーザーではなく、ビジネスで使用するユーザーでした。

　特にステーションワゴンであるカローラフィールダーは、人も荷物も載せることができるため人気が高く、使い勝手のよさも評価されているポイント。

　トヨタには本格的な商用モデルである「プロボックス」が存在していますが、プロボックスは4ナンバーの商用ライトバンということで、後席の背もたれは直角に近く、人が乗るのに適しているとはいえません。

　また、4ナンバーの普通車は1年車検（新車時のみ2年）ですが、カローラフィールダーは5ナンバーの乗用車ということで、2年車検で煩わしさも少ないというのも人気の理由となっているようです。

　対してセダンのカローラアクシオはフィールダーほどの需要はないものの、不動産会社の営業車など、セダン型が好まれる職種からは根強い人気があり、そういったユーザーが指名買いをしているとのこと。

　すでにこのタイプの5ナンバー車は他メーカーからは販売されていないためにビジネスユーザーが集中し、カローラアクシオ／フィールダーの販売台数のうち、およそ8割弱が法人とされているのです。

　ただ、トヨタとしては「ユーザーニーズを統合的に考えて」終売を決めたということで、一定の役割を終えたと判断している様子です。

　すでに5ナンバーサイズのセダンやステーションワゴンはラインナップしておらず、わざわざビジネスユースのためだけに新規車種を投入する可能性も低いといえるでしょう。

　もし可能性があるとすれば、プロボックスの初期型に設定されていた乗用（ワゴン）モデルの復活が考えられますが、果たしてどうなることでしょう。