クルマの「ナンバープレート」だけで個人情報バレる? SNS投稿時に“隠す行為”は意味あるの? 絶対に知られちゃいけない「別のナンバー」とは?
SNSに投稿されたクルマでは、ナンバープレートが隠されていることがあります。個人情報が漏洩しないような対策ですが、クルマのナンバーだけで情報がバレることはあるのでしょうか。
「ナンバープレート」からわかることとは?
SNSなどに自分の愛車を投稿する際、きちんとナンバープレートを隠している人もいれば、気にせず載せている人もいます。
実際、ナンバーを晒すことでどこまで個人情報が分かってしまうのでしょうか。

まず、個人情報の定義ですが、個人情報保護委員会では「生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる記述等により、特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができる場合を含む。)又は個人識別符号が含まれるもの」としています。
つまりその情報だけで個人を識別できて、他の情報と簡単に照合できるものが個人情報とされています。
ナンバープレートは、正式には「自動車登録番号標」と言います。
そこに記載されている情報としては、運輸支局またはその自動車検査登録事務所を表示する地名、その右の3桁の番号は自動車の種別による「分類番号」が表記されます。
左下のひらがなはクルマの用途を表しており、普通自家用車であれば「さすせそたちつてとなにぬねのはひふほまみむめもやゆらりるろ」、レンタカー用であれば「れわ」、事業用であれば「あいうえかきくけこを」、駐留軍人軍属私有車両用などは「EHKMTYよ」があてられています。
大きく4桁で記載されている数字は「登録番号」と呼ばれており、一連指定番号になります。
ちなみにナンバープレートでは、一度割り当てられたナンバーの組み合わせは、廃車となっても2度と使われません。そのため、ナンバーの組み合わせが枯渇することを防ぐため、昔は1桁だった分類番号が、現在は3桁まで増えています。
これらがナンバープレートの情報になるわけですが、この情報だけでは、クルマを識別できても、個人を識別することはできません。そのため、実はナンバープレートは個人情報には該当しないというわけです。
もし、運輸局に「このナンバープレートの個人情報を教えてください」といっても教えてはもらえないでしょう。
というのも、ナンバープレートを元に個人情報を得るためには、「登録事項等証明書」を請求する必要があります。
登録事項等証明書とは、車検証に記載されている氏名や住所といった基本的な個人情報に加え、クルマの情報である自動車メーカー名や大きさ、重量などが記載されており、まさに個人情報の塊です。
この登録事項等証明書を請求するためには、登録番号と「車台番号(下7桁)」の2つが必要となり、車台番号だけで請求する場合は全桁の記入が必須です。
車台番号とはクルマ1台ごとに割り振られている識別番号のこと。クルマが製造されて、登録された段階で必ず車体に刻印されており、運転席の下やエンジンルーム内などに記載されています。
車台番号は犯罪捜査で調べられることもあり、国は登録番号と車台番号でクルマの所有者を把握し、管理しているというわけです。
また、全くの他人がこの登録事項等証明書を請求すると、請求理由によっては個人情報保護やストーカー対策といった観点から請求申請が却下されることもあります。
知られたから確実に登録事項等証明書を見られるというわけではありませんが、やはり両方を知られないように気を付けるのが無難です。
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また、近年迷惑車両をSNSに投稿するというのが多々見受けられますが、これは名誉棄損罪に当たるとの見方もあります。
もちろん悪いのは迷惑車両ではありますが、正義のつもりであってもSNSに投稿して相手がナンバープレートを変えざるを得なくなったなど被害を被ったら、自分自身が罪に問われてしまうかもしれません。
もし迷惑車両を撮影したらSNSには投稿せずすぐに警察に通報し、証拠として映像や写真を提供するようにしましょう。
加えて、ナンバーや車台番号だけではなく、クルマ全体が写っているとウインドウ越しにドライバーや乗車している人の顔が写ったり、周辺の風景で場所が特定されたりなど、クルマとクルマ以外に写っている情報を総合的に分析することによって、居場所を特定される可能性もあります。
SNSに投稿する際はクルマのナンバーや車台番号のみならず、それ以外に写っている部分にも十分留意するようにしましょう。
Writer: 奥彩花
京都府生まれ。車関係のライティングは学生時代から続けており、車に詳しくない方にも分かりやすく興味をもってもらえるような内容を心がけている。
















































