スバル新型「フォレスター」登場! 歴代初の「強力パワートレイン」搭載! 低燃費&走行性能が大幅進化の「本格クロスオーバーSUV」の実力とは?【試乗記】
2025月4月3日、スバルは新型「フォレスター」の先行予約を開始しました。そんななか自動車ジャーナリストの山本シンヤ氏がひと足先に試乗し、レポートします。
新型「フォレスター」の内外装はどう進化した?
1980年代、90年代に起きた「RVブーム」では、三菱「パジェロ」を筆頭に、各メーカーから様々なモデルが登場しました。しかし、その波に乗れなかったのがスバルです。

「SUVが欲しい」その声は日本よりも北米で大きかったと言います。
そこで登場したのが1994年に北米向けモデルとして2代目「レガシィ ツーリングワゴン」をSUVに仕立てた「アウトバック」でした。
ある意味“苦肉の策”でしたが、「乗用車の走り」と「SUVの悪路走破性」を両立する走りが評価され人気を博しました。
1年後の1995年には日本にも導入が開始されました(当時は「グランドワゴン」)。
これに気を良くしたスバルは二番煎じを投入。
それが初代「インプレッサ スポーツワゴン」をSUVに仕立てた「グラベルEX」です。
そこから「派生モデルではなく専用ボディでSUVを作りたい」そんな想いを形にしたのが、1997年に登場した「フォレスター」です。
初代/2代目はSUVと言いながらも乗用車派生のイメージが強かったですが、2007年に登場の3代目以降はSUVらしさをより強調したコンセプトに変更。
これとクロスオーバーSUVブームが相まって販売台数は大きく増加し、今やアウトバックと並びスバルのグローバル販売をけん引するエースへと成長しています。
その最新作となるのが、間もなく日本で正式発表される6代目です。

開発責任者(プロジェクト・ゼネラル・マネージャー)の只木克郎氏は、「フォレスターらしさを継承しながらも、スバルファンのみならず他銘柄からも乗り換えてもらえる魅力を数多く盛り込みました」と自信を見せます。
今回、4月3日の先行予約開始に先駆け、プロトタイプ(ほぼ量産モデル)に袖ヶ浦フォレストレースウェイで試乗してきました。
エクステリアは先代のイメージを踏襲しながらも、よりスクエアなスタイルに変更。
スバル定番のヘキサゴングリル&コの字ヘッドランプをやめたフロントマスク、キャラクターラインに頼らないシンプルな造形ながらも軸が通った逞しさを備えたサイド、そしてクリーンなリアと、ラギットさを強調した先代に対してクリーンな印象が増しています。
パッと見、大柄になったように見えますが、ボディサイズは全長4655mm(+15mm)×全幅1830mm(+15mm)×全高1730mm、ホイールベース2670mmと、ほぼ同等です。
グレードは3つ用意されており、「プレミアム」は唯一の19インチタイヤ&ホイール装着で都会の風景にもマッチする仕立ての良さ、「Xブレイク」は従来からのタフギアというキャラクターはそのままに、挿し色をオレンジからグリーンに変更しイメージチェンジ、そして「スポーツ」はシンプルながらもブロンズのアクセントでツール感アップと、上手くキャラクター分けが行なわれています。
ただ、個人的にはXブレイクとスポーツの差が少なめで、どちらにもう一味足したいところ。
例えば、Xブレイクは先代の北米向けにラインナップされていた「ウィルダネス」、スポーツは先代に設定されていた「STIスポーツ」にしてしまうとか。
インテリアはセンターに縦型ディスプレイをレイアウトする、最新スバル共通インパネデザインを水平展開していますが、助手席前の加飾デザイン(シボが独特)や独立したシフト周りなどにより、SUVらしい力強さを演出しています。
個人的には「クロストレック」や「レヴォーグ レイバック」に設定が無いシート空調が設定されたのは朗報ですが、その一方で3つ選択できるフル液晶メーターは、1つくらいフォレスターのオリジナルデザインが欲しいなと。
運転席に座ると「スッキリとした視界」に驚きます。
従来モデルも優秀でしたが、新型は数値だけでなくワイパーが見えないような工夫やサイドウィンドウ三角窓の面積拡大などにより、数値ではないリアルな“見やすさ”が向上しています。
リアシートは足元や頭上の広さやシートヒーター装着に加えて、前席よりもヒップポイントが高めに設定することで、数値以上の解放感が感じられます。
ただ、アームレスト内蔵のカップホルダーは高さが無く、ペットボトルを入れると支えられない問題は従来モデルから変わらず。
もちろんシートアレンジとの兼ね合いがあり両立が難しいのは解りますが、もう少し何とかしてほしい部分です。
ラゲッジスペースはクラストップの荷室開口はそのままに、ユーティリティナット(用品を活用できる)の採用やキックセンサー式のハンズフリーリアゲートの採用など、使い勝手や利便性がアップしています。
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