クラウンからアルファードへ代替増加 ファミリーだけのミニバンではなくなった?
ミニバンは多人数が乗ることのできる乗用車として、現在も国内市場では人気を誇り、特に最近のファミリーの傾向で「近居」が定着し親子2代が一緒に移動する手段として重宝されています。そんなファミリー向けイメージが強いミニバンに変化が出てきたというのです。
国内では未だ人気のミニバン市場、しかし変化も?
ミニバンは多人数が乗ることのできる乗用車として、現在も国内市場では人気を誇っています。特に最近、ファミリーのパターンが核家族から、夫婦どちらかの実家の近所に住むという「近居」が定着し三世代が一緒に移動する手段としても重宝されています。
国内のミニバン市場の主流派は、スライドドア・7人乗りで、前席から2人、2人、3人の3列シートとなっています。サイズ的には車高は180cm前後、全幅は170cm未満、全長は470cm未満という5ナンバー枠いっぱいのものが全国的に売れ筋となっています。
ここにはトヨタのノア、ヴォクシー、エスクァイアや日産のセレナ、ホンダのステップワゴンなどがしのぎを削っています。
前述に記したように、「近居」により親ないし祖父母が一緒に乗せてもらうことを理由に、購入援助などをする傾向もあるようです。これにより若いファミリーでもノアやヴォクシーよりもさらに上のクラスとなる、上級ミニバン(Lサイズミニバン)を購入するユーザーも増えてきているといいます。
その上級ミニバンの代表格がトヨタのアルファード/ヴェルファイアです。4月12日時点のトヨタHPを確認したところ、工場出荷に4~5か月程度という人気ぶりです。また上級ミニバンは当初、ファミリー向けに企画されたミニバンでしたが、その空間の広さや上質さから法人利用も増え始めているというのです。
確かに現行型のアルファードには「エグゼクティブラウンジ」や「ロイヤルラウンジ」といったVIP向けのグレードが用意されるようになりました。
最近のミニバン動向は実際どうなっているのか、東京トヨペット株式会社営業支援部次長の加藤康友氏にお話を聞いてみました。
―――アルファードなど、上級ミニバンの個人/法人の割合はどのくらいですか?
「東京に限って話をさせていただくと、アルファードに関しては法人や官公庁ユースとファミリーユースはほぼ半々。法人ユースは空間の広さを、ファミリーユースは多人数を重視する傾向にあります。アルファードの7人乗りは法人のお客様が多く、8人乗りはファミリーの方が多い傾向で、またエスクァイアはファミリーユースの方が多いです」
―――最近の傾向では法人ユースがこれまでの乗用車利用からミニバン利用に移行しているとも聞きますが実際どうなんでしょうか?
「クラウンがモデル末期なので正確な分析はできませんが、クラウンからの代替でアルファードを購入なさる法人様が多いです」
―――現行のアルファードは大型なフロントグリルで、特にボディカラーが黒の場合はフォーマル感があるように思えます。そのためでしょうか国会の玄関やVIPが登場するニュース映像などでも登場する機会が多い印象を持ちます。
「その印象は正しいと思います。そういった方々に利用される頻度はかなり増えています」