2024年「盗まれたクルマ」ランキング発表! 「アルファード」減少もイマは「軽トラック」が狙われている!? 税関“厳重チェック”も徐々に奏功… 最新の「自動車盗」の傾向は?

アルファードが減少… 「税関で発覚したケース」も

 2024年にもっともたくさん盗まれたのは、先出の通りランドクルーザーでした。

 モデル別の盗難台数は明らかになっていないので詳細は不明ですが、SNS上で共有されている盗難被害報告を集計すると、おそらく1064台のうち、7~8割が「ランドクルーザープラド」だと考えられます。

 ランドクルーザーは1月から6月までの上半期だけですでに590台が盗まれていたため、通年で1000台を超えることが予想されましたが、その通りの結果になってしまいました。

令和6年4月に横浜税関で発生した盗難車不正輸出未遂(虚偽の輸出申告)事件(画像:税関)
令和6年4月に横浜税関で発生した盗難車不正輸出未遂(虚偽の輸出申告)事件(画像:税関)

 また、注目すべきは上半期2位のアルファードです。303台が盗まれていますが、通年で488台なので、下半期に盗まれたのは185台となります。

 このように大幅に減っていることがわかりますが、なぜ、アルファードが減ったのでしょうか。

 そこには、2023年の暦年で「700台」という、盗難台数ワースト1位を記録した結果が大いに関係していると考えられます。

 アルファードの盗難についてメディアで報道されることが増え、社外セキュリティなどをつけて警戒するオーナーが増えました。

 また、もう一つ大きな理由は先代の30系アルファードで多用されていた“目玉抜き”という方法では、税関で摘発されやすくなり、海外に輸出しにくくなっていったことも影響しています。

 30系アルファードは“目玉抜き”(盗難車の車台番号打刻を切り抜き、別の車両の車体番号を溶接して付け替え、不正に手続きする方法)で丸車(切断せず、クルマの形を保ったまま)の状態で海外に密輸するケースが大変多くありました。

 しかし、2024年は税関の盗難車摘発体制が強化されたことで、車台番号を付け替えて密輸する“目玉抜き”は船に積み込む直前の検査で発覚されやすくなったのです。

 実際、全国の港で盗難車が丸車で発見された乗用車の台数は、2023年がわずか5台だったのに対し、2024年はなんと24台に激増しました。

 これは、大型X線装置での検査や輸出のための書類確認で、盗難車であることが判明しする台数が大幅に増えたということです。

 切断されてパーツとして海外に出されることが多いランドクルーザーと違って、丸車でアルファードを密輸するのは困難という情報が、窃盗グループにもいきわたったのでしょう。

 その結果、2024年の特に下半期でアルファードの盗難が大幅に減ったと考えられます。

※ ※ ※

 今回のランキングワースト10に入っている車種のオーナーは、これまで以上に警戒を強めて防犯対策をしてください。

 実際、ランドクルーザーもプラドもアルファードも、盗まれたクルマの9割以上は有効なセキュリティを装備していないことがわかっています。

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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