敦賀~福井の“激ヤバ難所”にトンネル整備中!? 山脈つらぬく「敦賀防災バイパス」計画のスゴさとは 「トラック転落」発生地帯に悲願の新ルート
福井県の国道8号の「難所」が、連続トンネルで一気に解消される計画となっています。一体どのような計画で、どこまで進んでいるのでしょうか。
国道8号の「難所区間」新トンネルで通過へ
福井県の国道8号の「難所」が、連続トンネルで一気に解消される計画となっています。
一体どのような計画で、どこまで進んでいるのでしょうか。

福井県は急峻な山脈で南北に分断されています。小浜市や敦賀市があり、京都府や滋賀県と密接なのが「嶺南エリア」、福井市・鯖江市・武生をはじめ永平寺や大野など内陸部を持ち、石川県や岐阜県と密接なのが「嶺北エリア」です。
分断する山脈は、敦賀市のすぐ北東にあります。旧北陸本線は敦賀駅を出ると約14kmにわたる果てしない「北陸トンネル」を抜けていき、並行する北陸新幹線「新北陸トンネル」も20km近くあります。
いっぽう国道8号は旧来のルートのまま現在に至ります。海側の急峻な海岸線を縫うように抜けていき、トンネルはほとんどありません。
そのため、関西~北陸の大動脈でありながら、この山岳区間は狭隘・急カーブの連続で、土砂崩れによる被災リスクも高く、さらに連続雨量200mmで通行止めになります。トラックの転落事故も発生し、冬季は立ち往生が多発しています。
北陸道を利用する長距離ドライバーはともかく、生活利用を含めた中距離移動にとっては「生命線」でありながら「アキレス腱」とも言うべき脆弱区間となっています。もちろん、北陸道が寸断された際の緊急輸送路としての役割も求められています。そのため、強靭性を高める事業が計画されてきました。
さて現在、以下の2つの事業が進行中となっています。
■敦賀防災
敦賀バイパスが地上へ下りたあとすぐ、東側の山へ突っ込んでいきます。3本の短いトンネルと、長さ約1.2kmの長いトンネルを経て、約4km先まで一気にショートカットしていきます。赤崎・五幡などの集落をまるごとバイパスします。
2018年に事業化。調査設計を経て、2022年に着工を迎えました。気になる工事進捗ですが、2024年9月の議会報告によると、トンネル入口周辺の工事が一部始まっているとのこと。トンネル本体は用地交渉の問題でまだ着工していないといいます。
■大谷防災
敦賀市と南越前町の境界を越える、国道8号における嶺南・嶺北間の最大難所区間にあたります。
ここには1962年開通の「敦賀トンネル」(長さ735m)がありますが、前後を含めて厳しい山岳区間が続き、2022年には豪雨被災で約2週間の寸断および通行規制となったばかりです。さらに冬道のスタックが多発する区間でもあります。
大谷防災は、2024年に新規事業化されたばかりの、地元にとって悲願となる工区です。まずは測量や調査設計が進められているところです。
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2工区が完成に向けて本格稼働中ですが、敦賀~武生の長い山岳区間において、難所はまだまだ残っています。敦賀市は敦賀市街から市境までの15.5kmを丸ごとバイパス整備するよう、国へ要望しています。
豪雨で大規模に被災した2022年には、「国道8号敦賀市田結-南越前町大谷間バイパスの建設促進を求める意見書」が市議会で可決されました。ここでは敦賀防災の早期整備とともに、残る区間も早期事業化するよう、あらためて求めています。そのうち「大谷防災」区間が2024年にめでたく新規事業化となったのは、先述のとおりです。
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