最近増えた? 謎の「ライトつけっぱなし車」 昼間なのに必要ある? 違反にならない!? 実は「昼間専用の画期的ライト」が存在した!

最近、昼間からライトを点灯させているクルマに遭遇することが増えているようです。これにはどのような理由があるのでしょうか。

「ライトの消し忘れ」ではありません

 最近、昼間からライトを点灯させているクルマに遭遇することがあります。
 
 誤作動でもなく、ライトの消し忘れではなさそうです。一体何のために点灯しているのでしょうか。

昼間から光ってるライト、一体何のため!?[画像はイメージです]
昼間から光ってるライト、一体何のため!?[画像はイメージです]

 その正体は、「デイライト」(デイタイムランニングライトとも称される)である可能性が高いです。

 デイライトとは、屋外が明るい日中にも点灯し、周囲にクルマがいることを知らせるための補助灯です。

 この「周囲」についてですが、前方のクルマや対向車、歩行者、自転車に乗っている人など、さまざまな要因が絡んでいます。

 ただ、ここでひとつ共通していえるのが、ライトを点灯させれば自分のクルマが周囲の景色に溶け込みにくくなり、周りの人やクルマなどに発見してもらいやすくなります。

 ライトを点灯するまでもないビルの谷間の日陰などでは、その効果を発揮できることがありそうです。

 デイライトは法律的にも明記されているもので、点灯しても違反ではありません。正式には「昼間走行灯」と呼ばれるもので、「保安基準 第124条の2 昼間走行灯」を抜粋すると、他の交通を妨げず、白色のランプと定められています。

 しかし、デイライトはポジションライト(車幅灯・スモールランプ)およびヘッドライトまたはフォグランプと併用することはできないという特徴があります。

 これは、あくまでデイライトは「ライトの必要がない昼間の走行中に点灯させるもの」であって、ライトを点灯させるべき日没後は、それ用の「ヘッドライト(前照灯)」があるからです。

 そのため、ポジションライトおよびヘッドライトまたはフォグランプを点灯させた場合、デイライトは自動的にオフになることが義務づけられています。

 なお保安基準の記載には「昼間走行灯の灯光の色は、白色であること」とありますが、市販品のなかには青く点灯しているデイライトもあります。厳密に言えばこちらは「昼間走行灯」ではなく「その他灯火類」という扱いになります。

 灯光の色が赤色以外とされ、光度は1440カンデラ以下、光度が増減するものを備えてはならない(色度の変化で視感度が変化するものを含む)、点滅するものを備えてはならないといった基準が定められています。

 つまり法的な基準を満たせば、白また青のデイライトを装着しても車検をクリアできます。

 ただし極端に光度があるもの、取り付け位置や角度が正しくない場合は車検に通らないので注意が必要です。

 DIYでの取り付けも可能ですが、ディーラーやカー用品店など、専門のスタッフに依頼する方が安心であり、確実です。

※ ※ ※

 ちなみに、古くからある「フォグランプ」と混同してしまう人もいるかもしれません。

 フォグランプ(Fog Lamp)とは、濃霧やゲリラ豪雨、吹雪といった過酷な気象状況のときに使用するための「補助灯」で、フロントバンパーなどに埋め込まれているものに加え、ステーなどで吊り下げる外付けのタイプもあります。

 また、輸入車を中心に後方専用の「リアフォグランプ」を装備しているクルマもあります。

 デイライトは日常的に常時使用するものですが、霧や豪雨などの悪天候時のみに使用する(常時使用しない)のがフロント/リアフォグランプと認識しておけば良いでしょう。

(3月10日10時40分 訂正)
 保安基準表記に一部誤りがあり、訂正しています。

【画像】「えっ…!」これが高速で「違反となる行為」です!(25枚)

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Writer: 松村透

株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。

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