カワサキZ900RS発売でZブーム再燃か!? 各カスタムメーカーからパーツが続々登場
カスタムも楽しい、それがカワサキZワールド
そして2018年のいま、Z1は「Z900RS」として蘇りました。カワサキZ系に強いことで知られる「ドレミコレクション」のブースには、なんと4台ものZ900RSが飾られ、たくさんの人が押し寄せました。
みなさんがまず見たいのが「Mk.II-Style」で、これは1978年発売の「Z1000Mk-II」をモチーフにしたもの。燃料タンクなど外装が角張っているのが特徴で、“角ゼット”とも呼ばれたスタイルです。
さらにオートバイでは珍しいスーパーチャージャーを搭載しているから驚きが隠せません。飛行機や四輪車に見られる装置で、高い気圧をエンジンに送りこみ、多くの燃料を燃やして動力にします。
じつはカワサキは今、「Ninja H2」というスーパーチャージャー搭載モデルをラインナップしていて、「Mk.II-Style」は往年モデルへのオマージュとともに、現行最強バイクへのリスペクトの想いも見ていて感じずにはいられません。
そしてもう1台、ライムグリーンの「J-Style」もひときわ目を惹きます。これは1981年にAMAスーパーバイク(アメリカのロードレース選手権)でチャンピオンを獲得したエディ・ローソン選手が乗る「KZ1000(J1)」を再現したもので、当時を知るバイクファンには垂涎もののスタイルです。
カワサキは翌82年から“ローソンレプリカ”と言われた「Z1000R」を発売し、日本でもたいへんなプレミアムモデルとなりました。80年代の過熱ぶりを知るベテランライダーらは、さぞかし懐かしいことでしょう。
ドレミコレクションの代表取締役・武 浩さんもそのうちのひとりです。根っからのカワサキ好きで、じつは川崎重工業が戦時中に製作した三式戦闘機「飛燕」も昨年オークションで購入し、復元に取り込むほどの超マニア。歴代のカワサキモデルを知り尽くし、外装キットを販売してきました。
お話しを伺うと、「Z900RSが発売されたおかげで、こうしてまたいろいろなスタイルが提案できて嬉しいです」と、頬を緩めます。「うちはカスタムショップではなく、外装キットを販売するメーカーなので、ユーザーさんがお好きなように選んで、自分好みの1台に仕上げていけば、ますます楽しいと思います」と、今回出展した外装パーツたちもまた順次製品化していく方針のようですから楽しみで仕方ありません。
「Z900RS」がカワサキファンを、カスタム好きのバイク乗りたちを存分に楽しませているのは間違いないようです。
【了】
Writer: 青木タカオ(モーターサイクルジャーナリスト)
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。自らのモトクロスレース活動や、多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク技術関連著書もある。