衝撃の1700万円! “ケタ違い”のマツダ「RX-7」出現! 斬新「6つ目ライト」×専用ワイドボディが凄い! 高性能「チューニングエンジン」搭載の“歴史的モデル”がハワイで落札
アメリカのオークションサイトで、マツダ「サバンナRX-7」が1億7000万円で落札されました。生産台数はわずか7台というそのクルマは、どのような個体なのでしょうか。
生産台数はわずか7台? 幻のマシンの素性とは
2024年12月、アメリカのオークションサイト「Bring a Trailer」で、初代マツダ「サバンナRX-7(SA22C型)」のラリー車が、11万7000ドル(当日レートで約1700万円)で落札されました。
なぜ、これほどの高値が付いたのでしょうか。
![斬新「6つ目ライト」×専用ワイドボディ! 「幻のRX-7」その実態とは!?[Photo:「Bring a Trailer」/Sellar:Haikuman]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2026/02/20250220_1985_Mazda_RX-7_WRC_001.jpg?v=1740042677)
「羨望のRX-7」のキャッチコピーで登場したサバンナRX-7は、1978年にマツダが発売した「ロータリーエンジン」搭載のスポーツカーです。
軽量コンパクトで高出力なロータリーエンジンは、マツダが実質的に世界で唯一、実用化に成功したエンジンです。
マツダは1967年発売の「コスモスポーツ」以降、ロータリーエンジン搭載モデルを急ピッチで揃えました。
しかし1973年に起こった第一次オイルショックにより、燃費性能が弱点だったロータリーエンジンは一気に人気を失います。
初代RX-7は、そんなロータリーエンジンの復権を目指し開発されたクルマでした。
搭載された「12A型」ロータリーユニットは、燃費と排ガス浄化性能を大幅に改善しつつ、当時としてはハイパフォーマンスな最高出力130ps、最大トルク16.5kgmを発揮。
また、エンジンを車体中央に極力寄せたフロントミッドシップレイアウトを採用したことで、 FR車としてはほぼ理想的な前後重量配分50.7:49.3を実現していました。
エクステリアも、コスモスポーツ以来伝統の太いBピラーと、ラウンドしたリアグラスエリア、低く長いノーズが特徴の先鋭的なデザインでした。
国産車では「トヨタ2000GT」以来となるリトラクタブルヘッドライトを採用したこともあり、当時「スーパーカーブーム」の真っ只中にいた子どもたちからも羨望の眼差しを浴びました。
久しぶりの国産ピュア・スポーツであった初代RX-7は、モータースポーツにも積極的に参戦します。
なかでも過激なモデルだったのは、欧州の「マツダ・ラリー・チーム・ヨーロッパ」が、「グループB」ラリー競技参戦用に製作した「RX-7 evo グループBワークス」です。
当時、世界ラリー選手権(WRC)のトップカテゴリーであったグループBクラスは車両の改造自由度が高く、4輪駆動を採用した画期的なラリーマシン「アウディ・クワトロ」の登場もあって、熱狂的な人気を集めていました。
マツダチームは、このグループBラリーに初代RX-7で挑戦しました。エンジンは欧州仕様に搭載される「13B型」ロータリーをベースにチューンナップ、出力を300psまでアップさせていました。
しかし、4WDマシンが急速に勢力を拡大するなか、後輪駆動のRX-7では分が悪かったのも事実です。
グループB・RX-7は1984年に実践投入されましたが、最高成績は1985年のアクロポリス・ラリーでの総合3位入賞。満足に結果を残せないまま、同年に一時撤退することとなりました。
その後マツダは、グループBよりさらに上の「グループS」クラスを見据えた4WDラリーマシンを、次世代の2代目RX-7(FC3S)をベースに開発しましたが、そのさなか、グループBで重大な死亡事故が発生。
結果グループBカテゴリーは廃止、グループSの計画も当然白紙撤回となり、マツダの計画は立ち消えとなってしまいました。
ラリーマシンのパッケージングが大きく様変わりしていった時代に生まれ、消えていったグループB仕様の初代RX-7。生産台数は、一説によるとわずか7台と言われています。
そんなグループB・RX-7の貴重な現存個体が、今回オークションで落札されたものだったのです。
出品者情報によれば、このクルマは参戦末期の1985年に製作されたマシンで、シャシーナンバーは「MRTE00019」。過去にはイギリスのロンドンで開催された「RMサザビーズ」主催のオークションにも出品された模様です。
さらに、驚くべきことにこのクルマは競技での出走実績のない未使用車両であると発表されています。
現役時代からデッドストック状態で現存するグループBマシンは、おそらく世界で唯一でしょう。
グラスファイバー素材を多用し、軽量化・ワイド化が図られたボディは、当時のマツダのワークスカラーである白地に水色のストライプのカラーリングを残しています。
リアに備わるダックテール形状の大型スポイラーや4連のライトポッドなど、グループB仕様専用の装備も良好な状態です。
当然、内装などにも競技使用によるダメージは無し。しかし、付属する「国際自動車連盟(FIA)」の公認書類が、この個体が本物のWRCマシンであることを証明しています。
オークションはハワイで開催され、現地時間の2024年12月4日未明、11万7000ドルで落札となり終了しました。
この価格は日本円に換算すると、当日レートで約1700万円。
まさにケタ違いの値段ですが、この個体はコンディション良好なクラシックカーであるとともに、貴重な歴史遺産であるといえます。
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(2月26日 20時45分)
落札額面に誤りがあり、訂正しました。
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