クルマの新車開発には何年かかる? 技術の進歩で期間は短縮されたのか

10年以上先も見据えた開発もある

 しかし、どのクルマも開発期間が短くなったとは一概には言えません。開発期間が短いクルマがあるいっぽうで、開発が長いクルマもあるのです。たとえば現行型のスバル・インプレッサは「開発期間は4年ですが、クルマの骨格となるプラットフォームはそれより前から開発が進んでいました」とスバルのエンジニアは言います。

 まとめると、プラットフォームやメカニズムなど、すでに新たな開発が終了しているモデルとプラットフォームやエンジン・部品などを共用するクルマは開発期間が短くなるのです。

スズキ・スイフトスポーツ 6MT セーフティパッケージ装着車 イメージ

 いっぽうで新規開発のプラットフォーム初採用モデルや、新技術のハイブリッドやEVなど、新しいパワートレインを搭載するクルマは開発に時間がかかる傾向にあります。新しいメカニズムが多い分だけ走行実験や様々な煮詰めが必要だからです。

 ちなみにスポーツカーは、専用プラットフォームを使うことが多かったり、走りを磨くために走行実験を多くこなすケースが多いので開発期間は長めの傾向です。

 また、具体的な車両開発の前に「先行開発」と呼ばれる開発もあります。これはどのクルマに搭載されるかはわからないけれど、将来のための技術を開発する動きです。

 長いものは10年もしくはそれ以上に時間をかけて研究開発を重ねる技術も存在します。ときには何らかの問題がネックとなり実際の車両には搭載されずに消えていく技術もあります。

 自動車メーカーには15年以上先に発表するクルマのおおまかな企画を考えている部署もあるそうです。その「構想段階」まで含めると、ときには「開発期間15年以上」ということになるのです。

 様々なエンジニアがかかわって世の中に登場する新型車。今年はどんな魅力あるクルマが登場するのでしょうか。

【了】

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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