無謀な「コンビニワープ」取り締まることはできる? 過去には死亡事故も発生! 交差点角の駐車場で“危険なショートカット”どんな罪になる?
交差点の角にあるコンビニで、信号待ちを避けようとして駐車場を横切る「コンビニワープ」が行われることがあります。過去には死亡事故も起きているのですが、危険な行為を取り締まることはできないのでしょうか。
「コンビニワープ」なぜ危険?
信号待ちの時間を惜しんで、交差点の角にあるコンビニの駐車場を通って反対側の道へショートカットすることを「コンビニワープ」と呼びます。
信号が青色から黄色、赤色に変わりそうになった際に、隣接するコンビニを通り抜けて対向車線に抜けると、信号を待つ必要がないというものです。

コンビニワープと呼ばれることがあるものの、コンビニのみならず、飲食店やガソリンスタンドなど、さまざまな店舗で行われることがあります。
特に広い駐車場があるコンビニや、信号が長い交差点などでコンビニワープをする人が多くなる傾向にあります。
コンビニワープは時折見かける行為ですが、実は危険な運転となっていて、安易に行って良いものではありません。
コンビニは、クルマで来店する人のほか徒歩や自転車で来る人もおり、周辺に歩行者が多く、駐車場を通り抜けるのは非常に危険です。
ただし、コンビニワープを取り締まる具体的な法律がないのが現状で、クルマの運転に関する法律といえば「道路交通法」が代表的ですが、道路交通法はあくまで「道路」に関する法律であり、店舗の敷地内や駐車場では適用されません。
スピードが出ていたり、一時停止ができていなかったり、歩行者を無視していたりと相当危険な状況で、かつ現場を抑えなければ警察も取り締まれないのが実態です。
しかし間接的に関係する可能性のある法律ならいくつかあります。
例えば、道路交通法の第70条「安全運転義務違反」に該当する可能性があります。
「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」ということなので、スピードを出してコンビニワープしたり、実際に歩行者などにケガなどをさせるような事故を起こしたら、安全運転義務違反は最大2点で、普通車では最大9000円の罰金が科せられます。
「一時停止違反(一時不定止)」に該当する可能性があることも注意が必要です。
道路交通法第17条2項に「車両は、歩道等に入る直前で一時停止し、かつ、歩行者の通行を妨げないようにしなければならない」と記載されており、勢いよくコンビニワープを行って一時停止を怠ったり歩行者を無視すると違反に当たり、最大2点の違反で、普通車で7000円の罰金です。
他には刑法130条の「建造物侵入罪」というものもあります。
「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の拘禁刑又は10万円以下の罰金に処する」という内容。
コンビニ側が「通り抜け禁止」「ショートカット禁止」などとコンビニワープを禁止する看板を掲げていたら、コンビニが禁止している行為を敷地内で行ったとして建造物侵入罪に該当する可能性もあるのです。
※ ※ ※
コンビニワープは違法でないからといって、やって良い行為ではありません。
軽い気持ちでコンビニワープをしたことで歩行者と接触する事故を起こし、時間が短縮できるどころか逆に遠回りになってしまうリスクもあるのです。
事故の相手の人生はもちろん、自分の人生も一変してしまうことになるかもしれません。
実際に店舗の駐車場をワープすることによる死亡事故は起きています。自分と周りの安全のために、コンビニワープは行わないようにしましょう。
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