“わずか4日”での受注停止!? 衝撃デビューのスズキ“5ドアカクカク”SUV! 新型「ジムニー“ノマド”」はシエラとナニが違うの? 比較して分かったコトとは

パワートレインや走行性の違いは?

 パワートレインは、シエラに搭載されている1.5リッター直列4気筒エンジンをそのまま採用。パワースペックの変更はなく、AT・MTともにギア比もシエラと同じです。

「ジムニーシリーズ」として初めて5ドアモデル投入
「ジムニーシリーズ」として初めて5ドアモデル投入

 エクステリアでは、ロングボディ化以外の変更点として、フロントのメッキグリルと、リアゲートに英語表記エンブレムが追加されました。メッキグリルはインド仕様車と同じもので、ネット上では賛否両論が見られます。

 安全装備もシエラから進化しています。「デュアルカメラブレーキサポート」がノマド全車に標準装備されたほか、AT車には「アダプティブクルーズコントロール」「後退時ブレーキサポート」「後方誤発進抑制機能」が追加されました。

 気になる走行性能ですが、シエラとの大きな違いはあまり感じられません。ロング化や重量増により、モッタリした走りになるかと思いきや、意外にもキビキビとした走りを実現。ワインディングロードでは、フロントサスペンションのセッティング変更が奏功し、シャープなハンドリングを維持しています。

 路面の凹凸の吸収性はシエラの方が優れていますが、リアサスペンションはむしろソフトになっており、後席の乗り心地はノマドの方が快適です。未舗装路でも100kg増加の影響はさほど感じられず、リアサスペンションの動きはむしろ良くなった印象です。

 開発スタッフは走行性能やハンドリングについて「ジムニーシリーズに共通する走行フィールを確保しながらも、4人乗車時の快適性や、ストレスのないハンドリングを実現しました。ワインディングロードではシエラ同様のキビキビした走りを楽しめると思います」と話します。

 クロスカントリー性能の指標となる3アングルでは、ランプブレイクオーバーのみシエラより3°減少。ただし、まだ本格的なオフロード走行は行っていないため、走破性については未知数です。ダートや砂地ではジムニーらしい走りを体感できました。

 一方で、気になる点もあります。後席を倒した際、荷室が完全なフラットにはならないことです。シエラはフルフラットになるよう設計されていますが、ノマドは座り心地を優先したため、シートバックがやや斜めの状態で固定されます。また、リクライニング用の金具が室内に出っ張るため、積載性の面では気になる部分です。

 この傾斜を解消する純正オプションは用意されていますが、荷物を多く積みたい方や車中泊を考えていたユーザーにとっては残念な点かもしれません。

 さらに、ボディカラーの選択肢も減少。シエラでは11色展開だったのに対し、ノマドは6色のみ。特に、アイボリーシフォンメタリックの単色やミディアムグレーが選べないのは残念です。オーストラリア仕様に設定されているグラナイトグレーメタリックのようなカラーも、日本で展開してほしいところです。

 先述のスタッフは「ボディカラーについては市場の意見を聞きながら、ニーズがあればシエラのカラーを採用することも検討します」と、話しています。

 シエラと比べると、より乗りやすい印象のノマド。後席の快適性や荷室の広さだけでも、ジムニーシリーズの中で最も実用性の高いモデルといえるでしょう。

【画像】超カッコイイ! これが「ノマド&シエラ」の違いです!(44枚)

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Writer: 山崎 友貴

自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。

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