ホンダ「新型“Z”!?」がスゴイ! 旧車デザイン&MT採用! 44年ぶり復活の「“軽”クーペ」…じゃなかった「Re:Z」とは

2025年1月には東京オートサロン2025が開催されますが、2018年に開催された東京オートサロン2018では、ホンダアクセスはカスタム・コンセプトカー「Re:Z」を出展していました。はたしてどのようなクルマだったのでしょうか。

日常生活をゆったりと楽しむ”水中メガネ”を開発

 2018年1月に開催された「東京オートサロン2018」で、ホンダアクセスはカスタム・コンセプトカー「Re:Z」を出展しました。

 ホンダアクセスは、ホンダの子会社で同社が生産するクルマの純正用品を開発・製造・販売する会社です。代表的な製品のひとつに、ホンダの新車のラインナップにも加わる「Modulo(モデューロ)」ブランドがあります。

 また、ホンダアクセスは毎年、東京オートサロンに出展、毎回独創的で夢のあるカスタムカーを披露し話題を集めています。

44年ぶり復活に?
44年ぶり復活に?

見事に「Z」と「CR-Z」がフュージョン

 東京オートサロン2018に出展したRe:Zは、ホンダのアイコニックな1台、1970年から1974年に生産された「Z」をオマージュしていました。

 Zは、1967年から1971年に販売されていた排気量360cc規格の軽自動車“Nコロ”こと「N360」のスペシャリティカーの位置づけとして開発された、4人乗りの2ドア・ファストバックでした。その最大の特長は、リアウィンドウが極太の黒い樹脂枠で囲まれていたことで、その格好から「水中メガネ」という愛称が付けられ親しまれました。

 ホンダアクセスが、そのZをイメージしたカスタムカーを制作するにあたって選んだベース車両は、ホンダ「CR-Z」でした。

 CR-Zは、2010年から2017年に販売されていたハイブリッドエンジン搭載の、3ドアハッチバックかつ4人乗りクーペで、全長4105mm×全幅1740mm×全高1395mmのコンパクトなスポーツカーでした。

 Re:Zを企画したホンダアクセスの商品企画部デザイナーの中野達也氏は、Zが大好きで所有したいが、古いクルマで維持費が高いことや故障の心配があるとし、それならば新しめのホンダ車でZを作れないかと思ったことが開発のきっかけだったと語っていました。

 また、CR-Zをベース車両にした理由について、程度のいい中古車が多く流通していることを挙げ、“中古の建物を自分好みにリノベーションして長く住む”ようなものだとも語っていました。さらに、CR-Zはスポーツカーですが、走りを意識せず、日常生活をゆったりと楽しむ”水中メガネ”を作りたかったとも語っていました。

見事に「Z」と「CR-Z」がフュージョン

 Re:Zのリアビューは、Zの“水中メガネ”を見事に再現、リアウインドウの傾斜もリアコンビネーションランプもZの雰囲気そのものでした。

 リアフェンダーからリアエンドまでのグラマラスな造形は、当時の小さい軽自動車の規格サイズにしては、ふくよかだったボディラインをしっかりとオマージュしていました。

 フロントマスクでは、丸目2灯ヘッドライトは再現されていましたが、Re:Zはその間をブラックのグリルで繋げているところ、オリジナルのヘッドライトは独立しグリルは両側のライトと繋がっていない、という相違点がありました。

 しかし、両側のヘッドライトの内側からフロントウインドウの両端へ向かって伸びるボンネットのプレスラインはZにもあったもので、Re:Zではそれが再現されていましたし、ドアミラーはZのフェンダーミラーと同じ形状のものと差し替えられているなど、オリジナルの特長のひとつひとつが丁寧にCR-Zに落としこまれていました。

 Re:Zのインテリアでは、Zの2眼メーターを再現していました。また、マニュアルトランスミッション(ハイブリッド車にしては珍しくCR-ZはMTも設定していた)を選択しているところもポイントでした。

 Re:Zは、市販化の予定がないカスタムカーでしたが、ホンダアクセスが2018年に発売していた「S660 Neo Classic KIT」のように、コンプリートカーないしはコンプリートキットが販売されれば、売れるクルマになりそうなロマン溢れる1台でした。

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