「クルマのフロントガラス凍結」なぜ“お湯”かけるのはNG? 凍ったガラスを1分で溶かす簡単な方法とは? 凍結防止する対策もあった!
冬の朝にクルマに乗ろうとして、フロントガラスが凍っているとすぐに発進できません。お湯をかけて素早く溶かしたいところですが、これは絶対にやってはいけない行為なのです。
凍ったガラスにお湯をかけて起こる恐ろしい事態とは?
冬の朝にクルマのフロントガラスが凍結してしまい、視界が確保できずにすぐに発進できなくて困ることがあります。
クルマの窓ガラスが凍ったときにやってはいけないことがあるのですが、どのようなことなのでしょうか。
まず、急いでいるからといって、フロントガラスが凍結したままの状態や、運転席の前だけ凍った部分を少し削ったりして運転をするのは視界不良で大変危険なのでやめましょう。
また、フロントガラスの凍結を対処するためにお湯をかけたら早く溶けて、スムーズに溶けてくれるように思えますが、これは絶対やってはいけません。
冷たいフロントガラスにお湯をかけると大きな温度差が生じ、ガラスが破損する可能性があります。
ガラスは温度が上がると膨張して下がると収縮し、体積に変化が起こる物質であり、お湯に接した部分は急激に温度が上がるので膨張しますが、内部やお湯から離れた部分にはすぐに熱が伝わりません。
そのため膨張した部分としていない部分で体積の差が生じ、歪みが発生することでガラスにヒビが入ってしまうのです。
仮にガラスが破損しなかったとしても、その状態で走るとお湯が冷めて水になり、0℃を下回る寒冷地であれば、その水が凍ってさらに凍結し、運転中の視界を妨げることになりかねません。
JAFが長野県上田市で2014年2月に行ったフロントガラスの凍結防止対策の実験があります。
テスト開始時は8.5℃でテスト中の最低気温はマイナス6.3℃。テスト終了時はマイナス5.9℃で雪が降っている環境下で実験は行われました。
「何も対策を施していないクルマ」「撥水剤をフロントガラス全体に塗ったクルマ」「フロントガラス全体にカバーをかけたクルマ」の条件が異なる3台を用意し、フロントガラスが凍結した際にフロントガラス全体に解氷剤を塗布した場合と内気循環でHI(最高温度)に設定したデフロスターを使用した場合の2種類を比較しました。
何も対策を施していないクルマはフロントガラスが凍結し、スノーブラシのヘラである「スクレーパー」を使用して凍結した部分を削り取ろうとしたものの取り切れず、視界を確保することはできませんでした。
撥水剤を塗布したクルマのフロントガラスは凍結したものの、スクレーパーで凍結部分をきれいに削ることができ、何も対策を施していないクルマに比べるとフロントガラスは視界良好な状態になりました。
カバーをかけたクルマは、フロントガラスに雪がつかず凍結自体起こりませんでした。これらの実験から凍結を防止するのには、カバーをかけるのが最も有効な手段であることがわかります。
次にフロントガラスの解氷ですが、デフロスターを使用した場合に視界が確保できるまで10分程度かかったのに対し、解氷剤を使用するとおよそ1分で凍結を溶かすことができました。
解氷剤はアルコールなどが含まれており、アルコールは0℃で凍らないため水とは違い、溶かした後も再び凍らないのが特徴。早く溶けるのでおすすめです。
時間があればデフロスターでもいいのですが、溶けるまでの間のアイドリングは環境に悪く、消費電力も多いのでバッテリーあがりの原因になることがあるため注意しましょう。
なお、解氷剤は冬の間は車内に置きっぱなしでも問題ありませんが、缶に入ったスプレータイプのものは高温になる夏場の車内に置いておくと破裂する可能性があります。
冬の間は車内の荷室や目に付かないような収納場所にしまうのではなく、ある程度目につくところに置いておき、冬が終わったら家の中の冷暗所に保管しましょう。
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フロントガラスの凍結を防止するにはカバーをかけるのが最も効果的であり、さらに撥水剤を塗布しておいたり、解氷剤を常備しておいたりするとさらに安心です。
また、フロントガラスが凍結しそうな寒い日や寒冷地で駐車すると、ワイパーのゴムが凍結してしまい窓に張り付くことがあり、その状態でワイパーを動かすと破損や故障の原因になる可能性があるので、駐車の際はワイパーを立てておきましょう。
凍結対策は少々面倒に感じるかもしれませんが、習慣化させると慣れるものなので、いざという時に慌てないよう、日常的に凍結対策を実践すると良いでしょう。
ビニール袋と、ペットボトルにぬるま湯を入れて駐車場へ。フロントガラスが凍りついてるのを確認したら、ペットボトルのぬるま湯をおもむろにビニール袋に注ぎ、それでフロントガラスを撫で回してやればいい。
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