北欧らしい個性を織り交ぜたSUV、ボルボ新型「XC60」

スウェーデン生まれのボルボは、IKEAでも馴染みがある北欧らしいデザインに先進的デザインを取り入れ、スタイリッシュさが増したクルマとして世界的に人気が高まっています。そんな中、日本においてもボルボ 新型XC60が「2017-2018日本カー・オブ・ザ・イヤー」の栄冠を手にしました。ボルボXC60、いったいどんなクルマなんでしょうか。

新型「XC60」が新世代ボルボの象徴的になる

高い安全性とスタイリッシュさを兼ね揃えたボルボ新型「XC60」

 輸入車を買う大きな理由の一つに“個性”が挙げられます。

 例えば、ドイツの自動車メーカーであるBMWなら、キドニーグリルと称する独特な形状が目を引く顔や、駆け抜ける歓びと謳う意のままの走りなどです。車種ごとに雰囲気がガラリと変わってしまう国産車とは違い、輸入車はルックスや走行性能に一貫した軸が確立されています。

 スウェーデンで生まれ育ったボルボが掲げているのは安全性です。いまでこそ当たり前に使われている三点式シートベルトですが、これはボルボ社が他社に先駆けて開発したものです。しかし安全のために有効なものだと、ボルボはその特許を独占することなく開示したのは、実は有名な話です。

 また、徐々に普及しつつある完全停止する自動ブレーキを日本で初めて市販車に採用したのも実は日本の自動車メーカーではなく、ボルボなのです。

 こうしたことから「安全=ボルボ」というイメージが定着していきました。

スッキリとした外観に上質な空間を持ち合わせるSUV「XC90」
セダンやワゴンにも北欧のテイストを演出させた「90」シリーズ

 ボルボは、数年前から安全性だけでなく“北欧の温もり”も特徴として打ち出してきています。

 そのきっかけがSUVの「XC90」です。北欧神話に登場する雷神トールの持つハンマーをモチーフにしたヘッドライトが印象的なボディは、華美な装飾を抑えた落ち着いた雰囲気を放ち、またインテリアもレザーやウッドをふんだんに使って上質感を演出するものの乗員に緊張感を与えない居心地の良さがあります。

 そして2017年には60と数字が表すとおり、XC90よりもボディサイズがコンパクトになった「XC60」が新世代ボルボの仲間入りを果たしました。

 ボディサイズは全長×全幅×全高=4690mm×1900mm×1660mmと「XC90」(全長×全幅×全高=4950mm×1960mm×1775mm)よりもひと回りコンパクトとなっています。

タブレットのような9インチ縦型ディスプレイや、高級クリスタルを採用したシフトノブ

「XC60」はコンパクトながら、「XC90」にも負けないプレミアム感を漂わせる北欧テイストのインテリアを採用。流木をモチーフとしたドリフトウッドパネルや質感の高いメタルを用いたパネルなど、随所にクラフトマンシップを感じさせます。さらに、「90」シリーズと同じく9インチの縦型ディスプレイを内蔵するなど先進的な側面も感じられる仕立てとなっています。

 ちなみに、プラグインハイブリッドの「T8 Twin Engine AWD Inscription」ではシフトノブにスウェーデンの高級ガラスメーカー、Orrefors(R)社製のクリスタルが用いられ、より北欧らしさに浸ることができます。

 搭載するパワートレインは全部で4種類と豊富。グレードごとに異なり、「T5」はガソリンの2.0L直4ターボ(254ps/350Nm)、「T6」はガソリンの2.0L直4ターボ+スーパーチャージャー(320ps/400Nm)、「D4」はディーゼルの2.0L直4ターボ(190ps/400Nm)、「T8」はガソリンの2.0L直4ターボ+スーパーチャージャー(318ps/400Nm)にモーターを組み合わせたものを搭載。いずれも8速ATを組み合わせ、駆動方式は4WDです。

 なお、ボルボの安全装備は現在でも世界トップレベルです。「XC60」にはインターセクション・サポート(右折時対向車検知機能)、大型動物検知機能、ランオフロード・ミティゲーション(道路逸脱回避支援システム)、ランオフロード・プロテクション (道路逸脱事故時保護機能)という4つの世界初の機能を含めた合計16種もの安全機能を集約した「IntelliSafe(インテリセーフ)」が全車に標準装備されます。

 価格は「D4 AWD Momentum」と「T5 AWD Momentum」の599万円から「T8 Twin Engine AWD Inscription」の884万円まで。競合車としてはメルセデス・ベンツ「GLC」(602万円~)やBMW「X3」(639万円~)が挙げられます。

【了】

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