なんでー? 停止線の手前で「止まる人」何してる? 少しスペース残すのは違反ではない? 謎行為の理由とは

SNSなどでも度々、「道路の停止線」に関する話題が投稿されます。その中には場所や状況に応じて「停止線よりも手前で止まる」という声を聞きますが、どのような理由があるのでしょうか。

あえて停止線の手前で止まる人がいるけど…それはなぜ?

 街中を走行していると見かける「停止線」。その名の通り、その位置で停止することを表しているものですが、なかには「停止線よりも手前で止まる」という人も。
 
 この行為に関しては度々、SNSでも話題となりますが、なぜ停止線よりも手前に止めるのでしょうか。

あえて停止線の手前で止まる人がいるけど…それはなぜ?
あえて停止線の手前で止まる人がいるけど…それはなぜ?

 停止線は、信号のある交差点、信号のない交差点、など様々な場所に設けられています。

 そんな停止線ですが、設置する場所は「交通規制基準」に沿って「法令により停止する場所」として定められています。

 わかりやすい例で言えば、横断歩道において「1mから5m手前」となっています。

 1mから5mと曖昧な表現が用いられる理由としては、交差点の状況によって「もっとも安全と判断される場所」が異なるからです。

 また場所によっては、二輪車、普通車、大型車によって停止線の場所が異なることも。

 具体例で言えば、二輪車と四輪車とそれぞれ書かれた停止線がある場所では「二段停止線」と呼ばれる道路標示があり、これは二段停止線がある場所で二輪車・四輪車がそれぞれの停止線で止まらなければいけないというものです。

 設置される理由としては、大型車や四輪車が左折時にバイクを巻き込む事故を防ぐためのもので、二輪車が前方にいれば死角にはいらず認識しやすくなり、交通量の多い交差点を中心に二段停止線の設置が広まりました。

 しかし最近では、「バイクのすり抜けを助長して危険である」として、現在は全国的に廃止される傾向にあり、東京都や北海道、神奈川県などでは二段停止線がすでに無くなっているようです。

 またその他の停止線も道路の形状や、近隣施設なども考慮されることから、定期的に停止線の設置位置が見直されることも少なくありません。

 そんな停止線ですが、SNSではなんで停止線の手前で止まるクルマがいるのか」や「中途半端に距離を空けている人は何の意味があるの?」などの投稿が見受けられます。

 では、なぜ様々な理由から決められている停止線の位置よりも手前に止まる人がいるのでしょうか。

 その理由について、とある自動車教習所の担当者は、「決められた停止線よりも手前に止まるという行為は、色々な理由が考えられます。基本的には『狭い道幅で対向車が来た際に曲がりやすくする』という配慮からのものが挙げられます」と話しています。

 この「曲がりやすくする」というのは、大型車などが曲がってくる際に車体の長さゆえ大きな回転半径が必要です。

 さらに、狭い道幅では、車両が曲がって侵入する時の角度が限定的になるなどの理由から、ある程度曲がる先にスペースが必要なことから停止線よりも手前に止まっていることで「曲がりやすくする」ことに繋がります。

 ここで疑問に思うのは、決められた停止線よりも手前で止まるという行為はなんらかの道路交通法に抵触しないのでしょうか。

 とある警察署の交通課担当者は次のように話しています。

「停止線の手前で停止することについて、基本的に違反には当たりません。

 運転手が安全に停止し、同時に発進できる位置で停止することが望ましく、道路の状況によっては、停止線よりも手前で停止する方が安全というケースも想定されます。

 ただし、停止線よりも手前に止まっている場合、後続車が追突する可能性もあり、そのあたりは周囲の状況に合わせて止まってください」

※ ※ ※

 巷で聞かれる「停止線よりも手前で止まる」という行為。これには周囲の状況に配慮したものだったようです。

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